2020年1月31日、りそなホールディングスから金融業界を揺るがす大きな発表がありました。埼玉りそな銀行の池田一義社長が退任し、後任として福岡聡取締役が就任するという人事です。同日、埼玉県庁で行われた記者会見で、福岡氏は「地域金融機関として、この土地における存在価値を一段と高めることが私の使命です」と、力強く抱負を語りました。
福岡氏は埼玉県出身の生え抜きで、1989年に旧埼玉銀行に入行して以来、りそなグループの要職を歩んできた実績の持ち主です。財務の専門家として、複雑な事象を簡潔明瞭に説明する手腕には定評があり、投資家たちからも厚い信頼を寄せられています。共に会見に臨んだ池田社長も、福岡氏の冷静沈着かつ大局を見据えた判断力に、次期リーダーとしての強い期待を寄せていました。
地域経済の要としての挑戦
埼玉りそな銀行は、預金や融資で県内シェア4割超を誇り、多くの自治体から指定金融機関を任されるなど、地域に欠かせない圧倒的な存在感を放っています。福岡氏は、人口増加が続く埼玉県の経済を「非常に高い水準にある」と評価しており、消費の動向には留意しつつも、今後も緩やかな経済成長を期待できるという前向きな見通しを示しました。
しかし、銀行経営を取り巻く環境は決して楽観視できません。2016年に日本銀行が導入したマイナス金利政策の長期化により、融資で利益を得る伝統的なビジネスモデルは逆風にさらされています。実質業務純益は、2016年3月期の626億円から、2019年3月期には392億円まで減少。さらに、フィンテック(金融とITを融合させた新しいサービス)を武器にする他業種の参入も激化しています。
多角化が握る未来の鍵
今後、埼玉県も人口減少の局面を迎えることが予測される中、活動エリアが限定される埼玉りそな銀行にとって、収益源の多角化は喫緊の課題といえるでしょう。福岡氏は「顧客の抱える困り事こそが、課題認識の原点である」と語り、未来を見据えて感謝されるサービスを提供していく決意を強調しました。
すでに池田社長の時代から、金利に依存しない手数料ビジネスへの転換は進められてきました。公的資金を完済して経営の自由度が飛躍的に高まった現在、企業支援に特化した「ビジネスプラザ」や、富裕層向けの「プレミアサロン」といったユニークな拠点が成果を上げています。
SNS上のビジネス界隈でも、今回の人事には「守りではなく、次世代の金融サービスへの変革を加速させる一手だ」といった期待の声が多く上がっています。中小企業向けのキャッシュレス決済システムの提供など、デジタル時代の需要をいかに取り込んでいくのか、福岡氏が打ち出す2020年度からの中期経営計画に注目が集まっています。
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