世界規模で見ると、国境を越えたお金のやり取りである「国際送金」の市場は、およそ7千億ドルという途方もない規模にまで成長を遂げています。とりわけ東南アジア地域は出稼ぎ労働者として海外で活躍する人々が多く、フィリピンなどは年間で300億ドル以上を受け取っている巨大な送金大国として知られているのです。
このような活況を呈する市場において、金融とIT技術を掛け合わせた革新的なサービスを指す「フィンテック」への注目度が急上昇しています。そして2020年2月4日、日本のセブン銀行がタイの有力企業発の急成長企業「ライトネット」への出資を決定したという画期的なニュースが飛び込んできました。
SNS上でも「これからはスマホ一つで簡単に母国へ仕送りができそう」「手数料が安くなるなら大歓迎だ」といった喜びや期待の声が続々と寄せられており、世間の関心の高さが伺えますね。今回は、セブン銀行のセブン・ラボリーダーである西井健二朗氏のお話をもとに、この提携がもたらす未来像を紐解いていきましょう。
初の海外スタートアップ出資が意味するもの
西井氏によると、両社の出会いは香港で開催された新しいビジネスモデルを開拓するスタートアップ企業のイベントだったそうです。セブン銀行はこれまでにも9社の有望な企業へ投資を行ってきましたが、海外発の企業へ資金を投じるのは今回が初めての試みとなります。相乗効果である「シナジー」が見込めれば、攻めの姿勢を貫く方針のようです。
実は、日本国内に住む外国人のうち、なんと5人に1人がすでにセブン銀行の海外送金サービスを利用しています。この盤石なATMネットワークと、ライトネットが持つ最先端の技術力を融合させることで、アジア圏内における国境を越えた決済や送金をさらに身近なものへと進化させる狙いが隠されているわけです。
タイと日本をシームレスに結ぶ未来予想図
今後の展開として期待されるのは、両国の強力な店舗網を活かした協業でしょう。ライトネットの創設者が属するCPグループは、タイ国内で「セブンイレブン」を展開する巨大な企業複合体です。この好相性を武器に、日本とタイの店舗でまるで自分の国にいるかのように買い物ができる環境作りが構想されています。
具体的には、スマートフォン上の電子財布である「ウォレット」機能を活用し、ライトネットが展開するアジア各地のATMから現地通貨を引き出せる仕組みなどが検討されています。煩わしい手続きや国境の壁を感じさせない、次世代の金融サービスが実現する日もそう遠くないかもしれません。
編集者の視点:金融革命が生活を豊かにする
私自身、今回の大きな提携は単なる企業間のビジネスの枠を超え、アジアで暮らす人々の生活基盤を劇的に向上させる素晴らしい一歩だと確信しています。異国の地で汗水流して働く人々にとって、母国の家族へ安全かつ迅速にお金を届ける手段は、まさに日々の安心を支える生命線と呼べるものです。
ライトネットを牽引するチャチャワン氏は数字に極めて明るく、過去には流通大手イオンの金融事業立ち上げにも携わった凄腕の実業家だと言われています。彼の深い知見とセブン銀行のインフラが組み合わさることで、2020年2月4日を起点にアジアの金融地図が大きく塗り替えられることになるでしょう。今後の飛躍から目が離せませんね。
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