2020年2月4日、鉄鋼業界に驚きのニュースが駆け抜けました。建設用鋼材の製造で知られる北越メタルが、2020年3月期の連結純利益を、なんと前期の5.5倍にあたる7億7000万円という大幅な増益で見込んでいると発表したのです。これは従来の予想を2億7000万円も上回る数字であり、投資家や業界関係者から大きな注目を集めています。SNS上でも「この厳しい市況の中で驚異的な数字だ」「利益率の改善が素晴らしい」といった驚きと称賛の声が相次いでいます。
収益を押し上げた「価格戦略」と「コスト削減」の妙
なぜこれほどまでに好調な決算となったのでしょうか。その背景には、同社の巧みな経営戦略があります。まず、マンション建設などで欠かせない主力製品「異形棒鋼(いけいぼうこう)」の販売価格を適正に維持することに注力しました。異形棒鋼とは、表面に凹凸をつけた鉄筋のことで、コンクリートとの付着力を高める建築の必需品です。この価格維持戦略が功を奏し、売上高は前期比8%減の223億円にとどまるものの、営業利益は5.3倍の11億円という非常に高い収益性を確保する見通しです。
さらに、製造コスト面での追い風も無視できません。同社の主原料である「鉄スクラップ」の価格が低下したことで、利益率が劇的に改善しました。市場環境の変化を読み取り、原材料費の抑制と製品価格の維持を両立させた経営手腕は、まさに賞賛に値するでしょう。同日公表された2019年4月から2019年12月までの連結決算を見ても、純利益は前年同期の7.4倍の6億2900万円となっており、好調なトレンドが裏付けられています。
私個人としては、縮小傾向にある市場の中で、無理に売上を追うのではなく、いかにして「利益を絞り出すか」に注力した同社の姿勢に強く共感します。鉄鋼業界のような重厚長大産業では、景気に左右されるリスクが常に付きまといます。だからこそ、原材料の市況変化を味方につけ、高付加価値な価格転嫁を行う北越メタルのような柔軟な対応力こそ、今後より一層重要になっていくのではないでしょうか。この飛躍が一時的なものではなく、さらなる飛躍の礎になることを期待しています。
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