2020年2月6日、ついに47年間の長きにわたり加盟していた欧州連合(EU)から英国が離脱するという歴史的な転換点を迎えました。経済や安全保障の面で深い相互依存関係にあった両者が、今まさに未知の未来へと歩み出そうとしています。ジョンソン英首相は、2020年内の通商交渉合意を目指していますが、限られた時間の中で全分野をカバーするのは極めて困難というのが現実でしょう。
こうした状況に対し、SNS上では今後の英国経済への懸念や、世界的な立ち位置の変化を不安視する声が数多く見受けられます。しかし、専門家は悲観一辺倒ではありません。欧州シンクタンク「ブリューゲル」のガントラム・ウルフ氏は、モノや一部のサービスに限定した通商合意の可能性を指摘しています。全面的な合意は先送りになったとしても、双方にとって重要な貿易相手であることに変わりはないからです。
岐路に立つ英国の外交と安全保障
今後の懸念材料は、やはり「信頼」の再構築でしょう。離脱を巡る数々の交渉を経て、英EU間の信頼関係は冷え込んでしまいました。紛争が起きた際の仲裁手続きをどうするのか、合意を確実に実施できるのかという疑念が双方に存在します。私は、この信頼回復こそが、英国が国際社会で再び存在感を示すための第一歩になると考えています。
また、外交面では英国が米国の追従者となるのか、それとも米EUの「橋渡し役」として独自の道を歩むのか、その舵取りが問われています。トランプ政権下での対米接近という選択肢も囁かれますが、それが中長期的に国益に適うのかは未知数です。強固な政権基盤を得たジョンソン政権ですが、その外交手腕が真に試されるのはこれからなのです。
加えて注目すべきは、英国の「賢い規制」による産業育成です。人工知能(AI)やバイオテクノロジー、金融サービスといった分野において、EUの枠組みを離れたからこそ可能な柔軟な規制環境を整備できるのではないでしょうか。離脱をただの衰退と捉えるのではなく、中長期的な政策の自由度としてどう活かしていくのか、英国の知恵が試される時が来ていると言えるでしょう。
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