どんな空間で働けば社員の能力を最大限に引き出せるのか。これは多くの企業が抱える切実な悩みでしょう。活発な意見交換ができる開放的な雰囲気も大切ですが、時には深く思考を巡らせる静かな時間も必要ですよね。この難題に対し、損害保険ジャパン日本興亜が本気で取り組み始めました。同社は自社のオフィスを実験場と位置づけ、理想の環境を模索しています。
具体的には、都内の本社内にある情報システム企画部のオフィスを大々的に改装しました。ここには、偶発的な対話を促すカフェのようなスペースから、じっくりと腰を据えて議論するためのコーナーまで、目的別に多様な空間が用意されています。さらに、特定の座席を設けないフリーアドレス制を導入し、周囲を気にせず集中できるパーソナルルームも設置しました。
また、約90人の部員がどのエリアを好んで活用しているのかを360度カメラで詳細に分析している点も非常にユニークです。この取り組みについて、SNS上では「効率化だけでなく、社員の心理的な快適性までデータで測ろうとする姿勢が素晴らしい」と評価する声が上がっています。
談論風発を目指すオフィス改革の真実
同社が目指すのは、部署の垣根を越えてヒントを得たり、チームで熱い議論を交わして新たな事業の芽を育てたりする「談論風発」な環境です。しかし、変化には当然ながら抵抗も伴います。これに対して同社は、急進的な改革を強いるのではなく、従来のスタイルを好む社員はこれまで通り席で働ける余地を残し、少しずつ新しい環境に馴染んでもらう方針を採っています。
特筆すべきは、この改革がトップダウンではなく、15人の社員による合議制で進められたことです。「無理なく、しかし着実に変えていく」という彼らの一致した意識が、改革の成功を支えています。私はこのアプローチこそが、組織文化を損なわずに生産性を向上させる唯一の正解だと考えています。
設計を担当したフロンティアコンサルティングは、「長く勤める社員が多い大企業ほど、特有の難しさがある」と指摘します。だからこそ、現場の事情を深く理解した社員自身が声を上げる「ボトムアップ」の改革には大きな価値があるのです。2020年1月26日現在、オフィス学の奥深さを知る同社の挑戦から、私たちはこれからも目が離せません。
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