2020年1月29日現在、南米の経済大国ブラジルが大きな転換期を迎えています。ボルソナロ政権は発足2年目を迎え、経済改革のアクセルを全開に踏み込んでいます。これまで左派政権下で肥大化していた公的部門を切り分け、「小さな政府」を目指す方針を鮮明にしました。この大胆な舵取りに対し、SNS上では「停滞していた経済が動き出すのではないか」といった期待の声と、強権的な手法への懸念が入り混じった議論が活発に行われています。
経済政策の司令塔であるゲジス経済相は、2020年1月21日に開催された世界経済フォーラム年次総会、通称「ダボス会議」にて、国際的な投資家へ力強いメッセージを送りました。彼が掲げるのは、複雑怪奇な税制の簡素化、そして大胆な規制緩和です。世界銀行が発表するビジネス環境ランキングで190カ国中184位と低迷するブラジルの税制は、まさに「ブラジル・コスト」と呼ばれる足かせとなってきました。これは連邦・州・市に細分化された税体系が企業の重荷となっている状態を指しており、この改革はまさに国の悲願といえるでしょう。
経済改革の立役者と市場の評価
特筆すべきは、ボルソナロ大統領が経済政策の実権をゲジス経済相に全面的に委ねているという点です。過激な言動で知られる大統領ですが、「経済問題については彼が私の上司」と公言し、専門家に舵取りを託す柔軟さを見せています。実際に2019年10月には、難航が予想された年金受給年齢引き上げを柱とする年金改革法を成立させました。この際、大統領が表に出ず専門家の判断を尊重したことは、市場からの信頼を勝ち取る大きな要因となりました。
市場の反応は極めて敏感で、主要株価指数のボベスパは政権発足前から3割以上も値を上げています。約3年半ぶりの低水準となる11.2%の失業率も、改革への期待を裏付ける証左でしょう。国際通貨基金(IMF)が世界各国の成長率予測を下方修正する中、ブラジルだけは2.2%へ上方修正された事実は驚異的です。私は、この「自由貿易の推進」と「インフラ民営化」という現実的な政策こそが、ブラジルを再び世界の成長センターへ押し上げる鍵になると確信しています。
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