2019年5月28日、安倍晋三首相(当時)は、令和初の国賓として日本を訪問していたドナルド・トランプ米大統領夫妻を迎えるという、極めて重要な外交日程をこなされました。首相の1日は、午前8時41分に東京・富ヶ谷の私邸を出発し、官邸での閣議を終えた後、午前10時1分には昭恵夫人と共に陸上自衛隊ヘリコプターで神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地に停泊する護衛艦「かが」へと向かわれました。
午前10時33分、「かが」の艦上でトランプ大統領夫妻を出迎えられた首相は、記念撮影を行った後、10時37分から大統領と共に海上自衛隊員と米海軍兵士らに対し訓示を行いました。これは、日米同盟の強固な絆を内外に発信する、象徴的な出来事となりました。訓示後、10時56分には大統領夫妻を見送り、ヘリコプターで官邸へと戻られました。
午後の日程も、外交・安全保障に関する会議が目白押しでした。午後12時34分には、川崎殺傷事件を受け、柴山昌彦文部科学相、山本順三国家公安委員長と対応を協議されています。その後も、河野太郎外相や外務省幹部、岩屋毅防衛相らとの会談が続き、日米首脳会談の結果を受けた外交・防衛の具体的な政策調整に時間を割かれました。特に、F35戦闘機の購入や護衛艦「かが」の空母化など、防衛装備品に関する議論が深められたことがうかがえます。
午後4時台には、世耕弘成経済産業相や金融庁長官らと、貿易摩擦や金融・世界経済に関する協議を行われています。これは、トランプ大統領との間で争点となった日米貿易交渉や、同年6月下旬に大阪で開かれるG20首脳会議に向けた、国内での綿密な準備が進められていたことを示しています。夕方には、北村内閣情報官や谷内正太郎国家安全保障局長らと、安全保障に関する情報共有と戦略調整が行われました。
SNS上では、このトランプ氏の訪日に対する首相の対応について、「ハードな外交日程だ」「日米同盟の重要性を改めて実感した」といった評価の声とともに、「貿易交渉でどこまで譲歩したのか気になる」といった、国益の確保に対する懸念の声も聞かれました。
私自身の意見としましては、この2019年5月28日の首相の動向は、「外交、安全保障、経済」という3つの重要課題が複雑に絡み合う、現代の日本のリーダーが直面する厳しい現実を象徴しています。トランプ大統領の来日を成功裏に収める一方で、国内の安全保障(川崎殺傷事件)への対応や、国際的な経済リスクへの備えも同時に行うという、その多忙な日々の裏には、日本の国益を守るための強い緊張感があったと言えるでしょう。夜にはパレスホテル東京で杉山駐米大使らと会食され、21時42分に私邸に戻られるまで、まさに分刻みの「外交デイ」であったことが伺えます。
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