中国国家外貨管理局が2020年2月7日に発表したデータによると、2020年1月末時点における中国の外貨準備高は3兆1155億ドル、日本円にして約340兆円に達したことが分かりました。これは2019年12月末の時点と比較すると、わずか1カ月で76億ドルも膨らんだ計算になります。2カ月連続で前月を上回る結果となり、底堅い推移を見せています。
今回の増加の背景には、世界を揺るがす2つの大きな世界的リスクが影響していると考えられます。1つはイギリスがヨーロッパ連合から離脱する、いわゆる「ブレグジット」をめぐる不透明な動きです。そしてもう1つは、中国の湖北省武漢市を中心に猛威を振るい始めた新型肺炎の感染拡大に他なりません。これらへの懸念が市場を包み込みました。
こうした世界情勢の緊迫化に伴い、投資家の間では「安全資産」とされる米国債などを購入する動きが急速に強まりました。この国債価格の上昇が、中国の保有する資産価値を大きく押し上げた主因とみられています。外貨準備とは、国が対外的な債務の支払いや通貨価値の安定のために保有するドルなどの外国通貨のことで、いわば国の貯蓄です。
インターネット上のSNSでも、このニュースは大きな注目を集めています。「新型肺炎で中国経済への懸念が高まる中でも、外貨準備がこれだけあるのは強みだ」といった驚きの声が目立ちました。その一方で、「実体経済へのダメージが本格化するのはこれからではないか」と、今後の中国経済の先行きを不安視する冷ややかな意見も飛び交っています。
私個人の見解としては、今回の数字だけで中国経済が完全に安泰であると過信するのは禁物だと考えます。確かに米国債の上昇という外部要因に助けられた側面は大きく、目先のリスクは回避できている印象です。しかし、新型肺炎による国内の工場停止や物流の混乱が長引けば、今後はより深刻な影響が表面化してくるのではないでしょうか。
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