群馬県前橋市には、「日本一安い」という驚きのフレーズで全国から注目を集める遊園地が存在します。それは、地元で「るなぱあく」の愛称で深く親しまれている前橋市中央児童遊園です。なんと、入園料は完全に無料となっており、メリーゴーラウンドをはじめとする大型遊具もわずか50円で楽しむことができます。このお財布に優しい料金設定が、多くの家族連れにとって最高の魅力となっているのは間違いありません。
この園内でも特に象徴的な存在が、1954年の開園当時から今も現役で動き続けている電動木馬です。驚くべきことに、この木馬は1回たったの10円で乗ることができ、2007年には国の登録有形文化財にも認定されました。昭和の懐かしい雰囲気をそのまま残すレトロな姿は、SNS上でも「エモすぎる」「タイムスリップしたみたい」と大変な話題を呼んでいます。世代を超えて愛されるノスタルジックな風景が、現代人の心を捉えて離しません。
しかし、これほどの魅力を持つるなぱあくも、かつては利用者数の低迷に悩まされ、何度も閉園や移転の危機に直面していました。そんな状況を打破したのが、2015年に園長へ就任した原沢宏治さんです。前橋市が指定管理者制度を導入した際、経営コンサルタントとしての実績を買われて経営を託されました。原沢さんは園内を視察した際、これまでの運営が「待ち」の姿勢だったことに気づき、独自のアイデアで勝算を確信したそうです。
※指定管理者制度とは、公の施設の管理を民間企業や団体に委託し、民間のノウハウを活かして住民サービスの向上や経費の削減を図る仕組みを指します。原沢さんはまさに、民間ならではの柔軟な発想を園に注入しました。その代表例が、夏の恒例イベントとなった「夜間開園」です。園内でアルコールを提供することにより、かつて子供時代にここで遊んだ大人たちを再び呼び戻すという、大胆で魅力的な仕掛けを成功させました。
さらに平日には、母親向けの子育て相談会などを開催し、地域に寄り添ったアプローチで平日の利用客を底上げすることにも成功しています。これらの一連の新企画が功を奏し、ネット上では「夜のるなぱあくでお酒が飲めるなんて最高」「親になっても通いたい場所」といった絶賛の声が溢れました。その結果、県外からの来園者も急増し、2017年度には利用者数が約170万人という過去最高を記録するに至っています。
このように地域に密着しながら新しい価値を生み出す姿勢は、現代の地域活性化における素晴らしいお手本であると私は確信しています。単に古いものを守るだけでなく、時代に合わせたニーズを取り入れる工夫こそが、文化を守る鍵になるでしょう。原沢園長は「3から4世代にわたって愛される遊園地を、次の世代へとつなげたい」と熱く語ります。昭和レトロの温もりと革新的なアイデアが融合したこの場所から、今後も目が離せません。
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