金属加工機械の大手企業であるアマダホールディングスの株価が、激しい向かい風にさらされています。2020年02月10日の株式市場において、同社の株価は一時前週末と比べて74円も値下がりし、1103円まで急落する場面がありました。これは2営業日連続の下落であり、2019年09月以来となる約5ヶ月ぶりの安値を記録したことになります。
市場にこれほどの大きな動揺が広がった背景には、2020年02月07日の取引終了後に発表された、2020年03月期の連結業績予想の下方修正があります。下方修正とは、期初に掲げていた業績の目標を下方へ修正することを指しますが、今回の発表は事前の市場予想平均を大きく下回る内容でした。この結果、投資家の間には失望感が広がり、売り注文が殺到したと考えられます。
SNS上でもこのニュースは瞬く間に話題となり、「主力商品がここまで苦戦しているのは予想外だった」「製造業全体の冷え込みを象徴しているのではないか」といった、先行きを不安視する声が相次いで投稿されています。最終的な2020年02月10日の終値は65円安の1112円となり、取引された株の量を示す売買高は通常の3倍近くまで膨れ上がりました。
主力事業の苦戦と世界情勢がもたらす業績への影
今回の業績悪化を招いた最大の要因は、同社の稼ぎ頭である板金加工機械の販売が想定以上に落ち込んでいる点にあります。今期の純利益は前期比26%減の245億円にとどまる見通しですが、市場が事前に期待していた308億円には遠く及びません。主な市場である日本国内において、製品の注文を受ける受注実績が前年割れを続けていることが響いています。
さらに、世界規模の予期せぬ事態が追い打ちをかけている状況です。現在、中国では新型肺炎の感染拡大によって企業活動が完全に停滞しており、他のアジア地域でも投資マインドが冷え込んでいます。このように主要地域での苦戦が同時多発的に発生しているため、アマダホールディングスが受けている打撃は非常に深刻であると言わざるを得ません。
各地域の販売不振に加え、市場の悪化に伴って製品の販売価格そのものが低下していることも、収益の大きな重荷となっています。証券アナリストからは「製品を作るための原価管理が想定以上に厳しくなっており、今回の決算発表は今後の株価に対してネガティブな印象を拭えない」という極めて厳しい指摘も飛び出しているほどです。
割安感と海外市場に見出す反発への期待値
しかし、この急落を単なる悲観論だけで片付けるのは早計かもしれません。ここで注目したいのが、企業の資産価値に対して株価が適切かどうかを測る指標であるPBR(株価純資産倍率)です。東証1部の「機械」という業種全体の平均PBRが1.5倍であるのに対し、現在のアマダホールディングスは0.89倍という非常に低い水準にとどまっています。
PBRが1倍を下回っているということは、企業の持つ解散価値よりも株価が安く放置されている状態を意味するため、投資の観点からは極めて強い割安感を示しています。また、アジア圏が苦しむ一方で、北米や欧州における製品販売は依然として堅調を維持している点は、同社にとって一筋の光と言えるでしょう。
編集部としては、今回の急落は短期的には避けられない試練であるものの、中長期的には絶好の仕込み時になる可能性を秘めていると考えます。世界的な景気停滞や新型肺炎の影響は確かに脅威ですが、欧米市場の強さと指標面の割安さを考慮すれば、底値を確認した後の反発力には大いに期待が持てるでしょう。今後の世界情勢を見極める眼が、今まさに投資家に求められています。
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