九州電力が2度目の業績下方修正!暖冬と太陽光普及がもたらす「天候リスク」の衝撃とこれからの電力ビジネス

九州電力が発表した最新の決算予測が、エネルギー業界や経済界で大きな注目を集めています。同社は2020年1月31日、2020年3月期の連結純利益が前回予想からさらに100億円引き下げられ、前期比35%減の200億円になる見通しだと公表しました。業績の下方修正は今年度に入ってから早くも2回目となります。

インターネット上のSNSなどでは、暖冬の影響がこれほど企業の経営に直結するのかという驚きの声が広がっているようです。また、再生可能エネルギーの普及が大手電力会社の収益を圧迫している現状に対して、ビジネスモデルの転換期を感じるといった冷静な分析を投稿するユーザーも見られました。

この業績低迷の背景には、深刻な「天候リスク」が存在します。2019年の夏に発生した天候不順による冷房需要の低迷に加え、現在も続く記録的な暖冬によって暖房向けの電力販売が大きく落ち込んでいるのです。池辺和弘社長は会見の席で、身に染みる暖かさが経営にとっては極めて厳しい逆風になっていると、苦渋の表情で語りました。

ここで注目したい専門用語が、電力ビジネスにおける「卸売市場」と「LNG(液化天然ガス)」の仕組みです。卸売市場とは、発電した電気を企業間で自由に売買できる取引所のことで、九州電力はここで九州以外の地域にも電気を販売しています。しかし、全国的な暖冬によって日本中で電気が余り、取引価格が急落してしまいました。

さらに、火力発電の燃料である「LNG」の余剰在庫も深刻な問題です。LNGはマイナス162度まで冷却して液体にした天然ガスのことで、気体に比べて体積が大幅に縮小するため、専用のタンカーで大量に輸送できる利点があります。環境負荷が低いクリーンな燃料として、現代の火力発電には欠かせない主役です。

九州電力は、あらかじめ価格を決めて購入する長期契約でこの燃料を確保していました。ところが、電気が売れずに発電所の稼働率が下がったため、使い切れないガスが大量に余る事態に陥ったのです。これを他社に転売しようとしたものの、現在の市場価格が暴落しているため、多額の売却損が発生する悪循環となっています。

また、九州地域特有の事情として、太陽光発電の急速な拡大が挙げられるでしょう。日中に太陽光による電力がクリーンに生み出されるのは素晴らしいことですが、そのぶん大手電力会社の火力発電を止める必要が出てきます。環境への配慮と自社ビジネスの利益確保というジレンマに、同社は直面しているのです。

こうした苦境の中でも、九州電力は年間35円の配当予想を維持する方針を示しており、株主への配慮をにじませています。さらに、2019年4月から12月までの期間では、ITやシステム開発を担う通信情報事業が堅調に推移し、電力部門の落ち込みをカバーするという明るい兆しも見えてきました。

私個人の見解としては、今回の事態は一企業の不振にとどまらず、気候変動がインフラ企業に与える影響の大きさを証明した象徴的な出来事だと感じます。これからは天候に左右されやすい電気の切り売りだけでなく、通信やライフスタイル提案など、多様な分野で新しい価値を創出していく姿勢が不可欠になるはずです。

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