日本の金融界で、今まさに熱い視線を集めている国があります。それは、目覚ましい経済発展を続けるインドです。日本の銀行によるインド企業へのシンジケートローン(協調融資)が、驚異的なペースで拡大しています。複数の金融機関が団結して大口の資金を貸し出すこの手法は、今や一大トレンドとなりました。
具体的な数字を見ると、その勢いは一目瞭然です。2019年の融資総額は約15億ドル、日本円にして約1600億円に達し、前年比で2割もの増加を記録しました。さらに2017年との比較では、なんと10倍以上に膨れ上がっています。SNSでも「地銀の資金が海外へ向かうのは必然の流れ」「インドの成長性が眩しい」といった驚きと期待の声が溢れていました。
この急増を後押ししているのが、日本独自の「サムライローン」や「ニンジャローン」と呼ばれる円建ての海外融資枠組みです。これらは海外の企業が日本の低金利を活用して、円建てで資金を調達する仕組みを指します。ドル建てよりも格段に低い金利で借りられるため、インフラ整備などで巨額の資金を必要とする現地企業にとって、非常に魅力的な選択肢となっているのです。
調査会社のデータによると、2019年のインド向け融資規模は、首位の米国に次ぐ第2位へと躍進しました。背景には、インド政府が対外借入に関する規制を近年緩和したことがあります。これにより、現地企業の資金調達ニーズが爆発的に高まりました。まさに、日本の資金力とインドの成長需要が完璧にマッチしたと言えるでしょう。
日本国内では長引く超低金利政策により、地方銀行などが国内での資金運用難に直面しています。国としての信用度が高く、かつ十分な金利収入が見込めるインド案件は、地銀にとって絶好の投資先なのです。メガバンクが案件を取りまとめ、地銀がそこに参加して運用益を得るという、国内金融機関の強力な連携体制が構築されています。
実際の動きとして、2019年9月にはみずほ銀行が主導し、インドの鉄鋼大手へ円とドルで計約120億円の協調融資を実行しました。ここには日本政策投資銀行のほか、南都銀行や紀陽銀行といった地銀も名を連ねています。また、2019年6月には3大メガバンクが共同で、インド国営企業向けに約330億円もの融資をまとめ上げました。
筆者は、この動きを日本の金融機関が生き残るための「攻めの選択」として高く評価しています。国内の預金を眠らせるのではなく、メガバンクの情報力と地銀の余剰資金を融合させ、世界の成長センターへ投じる試みは合理的です。みずほ銀行が現地企業を日本に招いて説明会を開くなど、情報開示への積極的な姿勢も信頼感を高めています。
今後はカントリーリスクへの目配りも必要ですが、インド市場の潜在能力を考えれば、この融資拡大の波はさらに勢いを増していく可能性が極めて高いでしょう。日本の金融マネーがインドの社会インフラを支え、同時に国内の地方経済を潤すという好循環の誕生に、これからも目が離せそうにありません。
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