協調融資の世界トレンド激変!2019年の急減から紐解く日本市場の驚くべき「底堅さ」と最新M&A事情

世界の金融市場に、今ちょっとした地殻変動が起きています。世界中の大手銀行などがチームを組んで大企業にお金を貸し出す「協調融資(シンジケートローン)」の総額が、実に3年ぶりに減少へと転じました。

調査会社のリフィニティブが発表した最新データによると、2019年1月1日から2019年12月31日までの世界全体における融資枠は、前年比で13%も落ち込み、4兆4595億ドル(日本円で約488兆円)にとどまりました。これには、世界を揺るがす経済的な背景が色濃く影を落としているのです。

そもそも協調融資とは、主幹事と呼ばれる代表の銀行が、企業の莫大な資金ニーズに対して枠を設定し、複数の金融機関を巻き込んで一堂に融資を行う先進的な仕組みです。これによって、一つの銀行だけでは背負いきれない巨額のリスクを分散できるというメリットが生まれます。

そのため、この融資の合計額は、まさに世界経済を引っ張るメガ企業たちの「攻めの資金需要」をダイレクトに映し出す鏡と言えるでしょう。今回はこの急減の裏側と、その中で驚異的な粘り強さを見せる日本市場の動向に迫ります。

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米中対立の余波が直撃!冷え込む世界のM&A市場

世界的に融資が冷え込んだ最大の引き金は、企業によるM&A(合併・買収)関連の資金調達が劇的に減少したことです。M&Aとは、ある企業が他の企業を買い取ったり、一つに合流したりして事業規模を拡大させる経営戦略を指します。

この華やかな企業の争奪戦に絡む融資枠が、2019年は一気に2割以上も落ち込んでしまいました。SNS上でも「トランプ政権による米中の貿易摩擦がこれほど企業行動を縮み上がらせるとは」「不確実性が高すぎて大きな投資に踏み切れないのも無理はない」といった、冷静な分析が相次いでいます。

やはり、米中対立という巨大な2国間の緊張感が世界経済の先行きを不透明にし、経営者たちに巨額の買収を手控えさせる強力なブレーキとなってしまったのでしょう。

地域別で見ても、世界の金融の中心地である北米が前年比17%減の2兆6690億ドルと大きくヘタり、欧州も6%減の8914億ドルと元気がありません。世界全体でのM&A案件は1400件あまりにとどまり、じつに6年ぶりに前年の実績を割り込むという、寂しい結果になりました。

巨額案件が連発!世界と逆行して輝く日本の存在感

しかし、このような世界的な大寒波の中でも、私たち日本の市場だけは全く異なる熱を帯びていました。驚くべきことに、日本国内における2019年の融資枠は、前年比1%増の2375億ドルを記録し、極めて底堅い推移を見せたのです。

この快挙を強烈に牽引したのが、国内の超大型ビジネスニュースでした。まず2019年5月には、東芝メモリホールディングス(現在のキオクシアホールディングス)が、三井住友、三菱UFJ、みずほという国内の3大メガバンクから、なんと総額1兆円という天文学的な協調融資を引き出しました。

さらに、ヤフーを傘下に収めるZホールディングスが、ファッション通販サイトのZOZOを買収した騒動も記憶に新しいところでしょう。この世紀の買収劇を支えるためにも、日本の大手銀行を中心に総額4000億円もの協調融資が実行され、大きな話題を呼びました。

ネット上では「世界が冷え込む中で日本のメガバンクがこれほどアグレッシブに動いているのは頼もしい」「国内企業の再編ドラマがこれほど活発だとは思わなかった」など、驚きと期待の声が溢れています。

編集部が見る未来:攻めの日本市場がもたらす経済への好循環

世界が怯える中で日本市場がこれほど健闘している背景には、長引く超低金利環境の中で、国内銀行が優良な融資先を貪欲に求めているという台所事情もあります。しかしそれ以上に、日本企業が自らの殻を破り、最先端の再編や次世代への投資に対してようやく本気で動き出した証拠だと言えます。

キオクシアのような先端半導体分野への巨額投資や、ヤフーとZOZOの融合といったネット産業のダイナミックな合流は、停滞する日本経済に新しい血を巡らせるために絶対に必要なステップです。世界が足踏みをしているこの瞬間こそ、日本企業にとってはゲームチェンジを仕掛ける絶好の好機となるでしょう。

この底堅い資金需要が一時的なお祭り騒ぎで終わらず、中小企業や地方経済へと広く波及していくことで、本当の意味での日本経済の復活へと繋がることを期待してやみません。これからの金融機関と企業の次なる一手に、ますます目が離せなくなりそうです。

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