英国のEU離脱交渉は泥沼化必至!?ボリス・ジョンソン首相が突き進む「対等な主権」という大いなる幻想と、待ち受ける経済的リスク

2020年2月7日、イギリスのボリス・ジョンソン首相が掲げる「国家の自主性」への強いこだわりが、欧州連合(EU)との今後の交渉に暗い影を落としています。首相は、英国が独立した主権国家として自らの未来を決定するためなら、たとえ自国に不利益が生じてもEUとの自由貿易協定(FTA)を拒否する覚悟のようです。SNS上でも「これではまるで自ら墓穴を掘るようなものだ」と、その頑なな姿勢を不安視する声が次々と上がっています。

英国政府が2020年2月3日に発表した新たな対EU交渉の要求は、あまりにも現実味を欠いています。政府は「対等な主権者同士」の合意を期待し、カナダ型の自由貿易協定を求めています。それが叶わなければ、貿易協定を持たないオーストラリアのような関係でも構わないという姿勢です。しかし、国際法上は対等であっても、市場の規模や人口を比べれば、両者の力関係が非対称であることは誰の目にも明らかでしょう。

ここで注目すべきは、EU側が提示した極めて緻密な交渉方針です。EUは英国との関係を、単なる貿易だけでなく安全保障や司法協力まで含む「総合的な枠組み」として捉えています。SNSでは「1年という短い期間で、これほど複雑な全容を合意できるわけがない」と現実的な無理を指摘するコメントが目立ちます。期限内に合意できなければ席を立つという英国側の姿勢は、あまりに無謀だと言わざるを得ません。

さらにEUは、地理的・経済的な近さを理由に「公平な競争条件(レベル・プレイング・フィールド)」の維持を厳格に求めています。これは、環境基準や労働者の権利、政府による補助金などで共通のルールを守るべきだという考え方です。つまり、英国が誇る「自由な決定」は、EUのルールを侵さない範囲に限定されてしまいます。主権にこだわりすぎれば、交渉そのものが決裂へと向かうのは確実でしょう。

一部では、EUが折れるのではないかという楽観論もありますが、それは期待薄です。また、協定がなくても影響はないという説も、経済の現実を無視しています。英国政府が2018年にまとめた試算でも、協定なしの離脱になれば、長期的に経済規模が6%から9%も縮小すると予測されているのです。責任あるリーダーであれば、自国の経済をこのような大混乱に陥れる選択は絶対に避けるべきだと私は強く確信します。

残された唯一のシナリオは、ジョンソン首相による劇的な「妥協」です。首相は過去にも、断固拒否していた北アイルランドの国境問題で密かに譲歩しながら、対外的には「大勝利だ」と言い張る驚くべき政治的手腕を見せました。今回もその再現を期待する声が一部であります。しかし、データ保護や漁業権を巡る溝は深く、現実は厳しいでしょう。決裂の末に訪れる経済的ショックだけは、何としても回避してほしいものです。

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