世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスによる肺炎ですが、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています。この未曾有の危機において、連日のようにニュースで取り上げられているのが世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長による発言です。
1月30日にようやく緊急事態宣言が出されたものの、SNS上では「中国への忖度で判断が遅れたのではないか」といった厳しい声が相次いでいます。彼が記者会見で中国の対応を異例なほど大絶賛したことも、ネット上で大きな物議を醸しているのが現状です。
こうしたテドロス氏の言動の背景には、彼の母国であるエチオピアへの中国による巨額の経済援助や、習近平国家主席の夫人が長年WHOの親善大使を務めているという強固なつながりが見え隠れします。これが真実の理由かは断定できませんが、現在の国際社会が抱える危うい構図を証明していると言えるでしょう。
それは、圧倒的な資金力と政治的圧力を駆使して、中国が国際連合の重要機関の中枢へと急速に浸透している現実です。実際に、全15ある国連専門機関のうち、すでに4つの組織で中国出身者がトップの座を射止めており、その勢いはとどまることを知りません。
通信から知財まで及ぶ影響力
世界第2位の経済大国が国連への貢献度を高めること自体は歓迎すべきですが、運営が特定の国に偏るとなれば話は別です。たとえば、国際電気通信連合(ITU)では、中国出身のトップが就任して以来、同国の掲げる巨大経済圏構想に寄り添う姿勢が目立ちはじめています。
さらに深刻な懸念が差し迫っています。2020年3月5日から6日にかけて、知的財産の国際ルールを定める世界知的所有権機関(WIPO)の次期事務局長選挙が控えているのです。日本政府も優秀な日本人候補を擁立していますが、現時点では中国側の候補が優勢との見方が浮上しています。
WIPOは特許や著作権といった知的所有権を守る防波堤ですが、中国はサイバースパイや技術強制移転の当事者として日米欧から不信の目を向けられています。知的財産を侵害している疑いのある国にその管理機関のトップを委ねるなど、まさに本末転倒と言わざるを得ません。
この危機感からアメリカ政府も水面下で外交工作を急いでいますが、トランプ政権による国連軽視の姿勢が結果として中国の台頭を許す空白を生んでいます。共産党の一党支配という不透明なガバナンスが国連に持ち込まれれば、世界のルールそのものが歪められかねないでしょう。
私は、日米欧が今こそ強固に連携し、これ以上の「国連の赤化」を阻止すべきだと確信しています。もし次の選挙でも中国が勝利すれば、国連専門機関の3分の1のトップを握られることになり、民主主義国家が築いてきた国際秩序の崩壊へとつながる一歩になってしまうはずです。
コメント