日本を代表する大手電機メーカーの東芝で、再び会計を巡る重大な問題が浮上しました。2020年1月18日、東芝はITサービスを展開する連結子会社において、実体のない架空の取引が行われていたことを公表したのです。その規模は2019年4月から2019年9月までの期間だけで、売上高にして約200億円にものぼるとみられています。企業統治のあり方が改めて問われる事態となり、今後の展開に大きな注目が集まっています。
今回の不正の舞台となったのは、情報システムの導入や構築をサポートしている東芝ITサービスという川崎市の企業です。ここで行われていたのは、いわゆる「循環取引」と呼ばれる手法でした。これは、複数の企業間で商品の転売を繰り返すことで、実際には物やサービスの動きがないにもかかわらず、帳簿上の売上高だけを膨らませる巧妙な手口を指します。現時点で東芝側は、子会社が自発的に関わった証拠は見つかっていないと説明しています。
この衝撃的なニュースに対し、SNS上では「また東芝で不祥事か」「過去の教訓が活かされていない」といった厳しい声が相次いでいます。東芝といえば、2015年にも大規模な不正会計が明るみに出て、東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」というペナルティ付きの指定を受けた過去があるためです。市場の信頼を回復しようと努めていた矢先の出来事だけに、ネット上では落胆や不信感を露わにするユーザーが目立っています。
一方で、今後の業績への影響を心配する声も少なくありません。東芝は2020年3月期の通期営業利益について、1400億円を見込んでいます。今回の架空取引が発覚した案件は利益率が低いため、現段階では全体への影響は軽微であるとの見解を示しました。しかし、200億円という金額自体は決して小さくありません。2020年2月14日に控える2019年4〜12月期の決算発表までに詳細を詰め、数値を修正する方針です。
編集部の視点として、今回の問題は単なる一子会社の不祥事で片付けるべきではないと考えます。東芝は2020年3月期に3兆4400億円の売上高を予測する巨大企業ですが、グループ全体の監視体制に死角があったことは否定できません。循環取引は外部からの発見が難しいとされますが、過去の痛みを経た東芝だからこそ、より厳格な監査体制を敷くべきでした。再発防止に向けた、より踏み込んだ具体策の提示が求められるでしょう。
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