トランプ米大統領の強権的な政治手法に対して、身内であるはずの議会共和党や政権内部から強い懸念の声が噴出しています。2020年2月13日、米連邦議会上院において、イランに対する大統領の軍事行動の権限を厳しく制限する決議案が可決されました。注目すべきは、与党である共和党から8人もの造反者が出た点です。弾劾裁判で無罪評決を勝ち取って以降、トランプ大統領の独善的な振る舞いはさらに加速しており、これが党内の強い警戒感を招く結果となっています。
SNS上では「ついに身内からも愛想を尽かされ始めたか」「独裁的な動きにブレーキがかかるのは当然の結末だ」といった、大統領の専横を危惧する書き込みが多く見られます。今回の決議案は、議会の事前承認を得ていないイランへの軍事介入を停止させる内容です。2020年1月、トランプ大統領の指示によってイラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」の司令官が殺害された事件が引き金となり、全面戦争の一歩手前まで緊張が高まったことで、この論争が勃発しました。
司令官殺害の正当性に疑問符
今回の決議可決は、トランプ大統領による司令官殺害の根拠が乏しかったと上院が判断したことを意味しています。ここで言う「コッズ部隊」とは、イラン国外での特殊作戦や軍事支援を担う強力なエリート部隊のことです。政権側は、当時「差し迫った脅威」が存在したため議会の承認なしでの攻撃が正当化されると主張してきました。しかし、その具体的な中身については、機密情報を共有すべき議会指導部にさえ開示されず、これが不信感を爆発させる原因となりました。
共和党のコリンズ上院議員は2020年2月13日、政権がどの政党であれ、戦争に関する立法府の権限を取り戻さねばならないとメディアに熱弁を振るいました。さらに、2002年に成立したイラクへの軍事行動決議を根拠にする政権側の主張に対し、専門家からは「古い決議を持ち出してイランへの脅威に対処するのは筋違いだ」との厳しい指摘も上がっています。このように、大統領の独断による暴走を未然に防ぎたいという思いは、党派を超えて共通の願いとなっているようです。
身内の司法長官からも異例の苦言
さらに波紋を広げているのが、司法への介入とも受け取れるトランプ大統領のSNS投稿です。2016年の大統領選の陣営関係者が起訴された裁判を巡り、トランプ大統領がネット上で不満を炸裂させたところ、司法省が検察側の求刑を取り消すという異例の事態に発展しました。これには、これまで大統領を徹底的に擁護してきたバー司法長官も「職務が遂行できなくなるため、投稿は控えるべきだ」とインタビューで直接的な苦言を呈さざるを得なくなりました。
また、ウクライナ疑惑の弾劾裁判でトランプ大統領に不利な証言をした高官を即座に更迭するなど、報復人事とも捉えられる強硬手段に打って出ています。これに対しても、共和党の有力議員から異議を唱える声が上がっており、政権の足元は揺らいでいます。大統領選を2020年11月に控える極めて重要な局面において、身内との絆が崩壊するリスクは致命傷になりかねません。指導者としての品格と、民主主義における三権分立の原則をいま一度見つめ直すべきでしょう。
コメント