美容大国として世界中から熱い視線が注がれる韓国の化粧品市場ですが、現在は約3万ものブランドがひしめき合う超激戦区となっています。日々新しい商品が誕生する一方で、流行の移り変わりは非常に激しく、まさにレッドオーシャンと呼ぶにふさわしい状況です。SNSでも「次々に新作が出て追いきれない」「どれを選べばいいか迷う」といった、市場の勢いに圧倒されるユーザーの声が数多く見られます。
韓国で絶大な人気を誇る口コミアプリ「グロウピック」の最高経営責任者であるコン・ジュンシク氏は、現在の市場について、各ブランドが成分やコンセプトに知恵を絞り、必死に新鮮味を打ち出している段階であると分析しています。韓国の消費者は化粧品の成分に対して非常に高い関心を持っており、かつては差別化の武器となった魅力的な成分も、ライバルが増えることで瞬く間にその優位性を失ってしまうのが現状のようです。
そんな中、2020年2月12日現在のトレンドとして注目を集めているのが、プロバイオティクスなどの乳酸菌を配合したスキンケア製品です。プロバイオティクスとは、体内に良い影響をもたらす生きた微生物のことで、肌のバリア機能を整える効果が期待されています。市場には乳酸菌を売りにした製品が増加していますが、これがかつて大ブームを巻き起こした肌再生を促す「シカクリーム」のように定着するかは、まだ予測が難しい状況です。
また、環境や動物に配慮した「ビーガン(完全菜食主義)」やオーガニックを掲げるブランドも急増しています。ビーガンコスメとは、動物由来の成分を一切使用せず、製造過程での動物実験も行わない化粧品のことです。コン氏によると、単なる宣伝文句としてビーガンを謳うだけでなく、イギリスなどの厳格な機関から正式な認証を得ようとする動きが活発化しており、2020年はブランドの真の哲学が試される分岐点になるでしょう。
このように流行が混沌とする中で、性急な売上拡大を狙うマーケティングはブランド価値を損ねる原因になります。そこで今、あえて「韓国コスメ」という枠組みに頼らず、独自の洗練された世界観でコアなファンを獲得する「FEMMUE(ファミュ)」のような新興ブランドが頭角を現してきました。SNSでもその美しいパッケージや確かな実力が話題となっており、世界で通用するブランドコンセプトを持つことこそが、次世代の成功の鍵と言えそうです。
筆者の視点としても、これからの化粧品選びは一過性のブームに流されるのではなく、企業が掲げる「モノづくりの思想」に共感できるかどうかが重要になると確信しています。成分の良さは大前提として、私たちがそのブランドを応援したいと思えるような、確固たる哲学を持つ「脱・韓国ブランド」の登場が市場をさらに面白くしてくれるでしょう。今後のKビューティーの進化から、ますます目が離せません。
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