【2019年決算解説】ウーバー1100億円の巨額赤字!減速するライドシェアと「ウーバーイーツ」への起死回生の賭け

シリコンバレーから届いたニュースに、驚きを隠せない方も多いのではないでしょうか。米ウーバーテクノロジーズが2019年5月30日に発表した2019年1月〜3月期の決算は、まさに「踊り場」を迎えた企業の苦悩を浮き彫りにしました。なんと、最終損益が10億1200万ドル、日本円にして約1100億円もの赤字を計上したのです。これは4四半期連続の赤字となり、同社の収益構造の課題を改めて突きつける形となりました。

かつては前年同期比で7割近い驚異的な伸びを見せていた売上高も、今回は2割を下回る水準にまで減速しています。これに対しSNS上では、「便利だけど、いつまで赤字を垂れ流せるのか」「運転手への還元率を考えるとビジネスモデルとして限界では?」といった、将来性を不安視する声も散見されます。一方で、「これだけの投資ができる体力がすごい」「生活になくてはならないインフラだ」と擁護する意見もあり、議論は尽きません。

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「ライドシェア」一本足打法の限界と競争激化

ウーバーの主力事業といえば、やはり「ライドシェア」です。これは、一般のドライバーが自家用車を使って乗客を運ぶ相乗りサービスのことで、世界中でタクシー業界に革命を起こしました。しかし、今回の決算ではこの主力事業の成長に急ブレーキがかかっています。競合である米リフトなどとの顧客・運転手の争奪戦が激化しており、手数料収入が思うように伸びていないのが現状です。

さらに世界を見渡せば、東南アジアの競合たちが猛烈な勢いで追い上げています。インドネシアのゴジェックやシンガポールのグラブといった企業は、ライドシェアだけでなく、決済や医療サービスまで取り込む「スーパーアプリ化」を進めています。これに対しウーバーは、多角化戦略において後れを取っている感が否めません。単なる移動手段の提供だけでは、もはや生き残れない時代に突入したといえるでしょう。

希望の光は「ウーバーイーツ」にあり

暗いニュースばかりではありません。ウーバーが次なる成長のエンジンとして期待を寄せているのが、日本でもおなじみの料理宅配サービス「ウーバーイーツ」です。今回判明したデータによると、ウーバーイーツの売上高は5億3600万ドルで、前年同期比89%増という爆発的な成長を記録しました。サービス取扱高全体に占める割合も21%に達し、存在感を増しています。

コスロシャヒCEOは、「ライドシェアを起点に料理宅配などに事業を広げる戦略は、単一サービスのみの競合に比べて優位性がある」と自信を覗かせています。確かに、既存のドライバーネットワークを物流に転用できるのはウーバーならではの強みです。世界500都市以上で展開するこのプラットフォームは、中国を除く地域ですでに世界最大級に成長しており、彼らの起死回生の一手となる可能性を秘めています。

迫りくる「アマゾン」の足音と今後の展望

しかし、この「食」の市場も安泰ではありません。2019年5月中旬、あのネット通販の巨人である米アマゾン・ドット・コムが、英料理宅配サービスへの出資を明らかにしました。世界で約8000億ドルとも言われる中食市場を巡り、巨大資本同士の激突が始まろうとしています。アマゾンの参入が報じられた直後、欧州の同業他社の株価が下落したことからも、市場の警戒感が見て取れます。

私自身の見解としては、ウーバーは今、単なる「配車アプリ」から「都市の物流OS」へと脱皮できるかの瀬戸際に立たされていると考えます。赤字を恐れず投資を続ける姿勢は評価できますが、アマゾンという最強のライバルが背後に迫る中、残された時間はそう長くはないでしょう。2019年6月1日現在、株価は公開価格を下回っていますが、この逆境をどう跳ね返すのか。ウーバーの「第2章」から目が離せません。

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