2019年6月1日までに、復興庁は東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故による避難者数が、同年5月14日時点で5万1184人に達していたことを公にしました。これは、前回4月9日時点の発表で約4万8千人と、一時的に5万人を下回ったとされていた数字から一転、再び5万人を超える結果となったのです。この数値の増加は、決して避難生活が終焉に向かっているという楽観的な見方を許さない、重い事実を私たちに突き付けています。
避難者数が増加した主な背景には、福島県が実施した避難実態の再精査があります。特に、福島県南相馬市が県内自治体からの要請に応じて行った実態調査の結果が大きく影響しているとされています。これまで「不明」として計上されていた、親族や知人の家に身を寄せている避難者の数が、新たに2730人と報告されたことが主要な増加要因とのことです。これは、公的な避難所や仮設住宅以外での生活を余儀なくされている「見えにくい避難者」の実態が、ようやく数字となって表面化したことを意味しているのでしょう。
この報道を受けて、SNS上でも大きな反響がありました。「いまだに5万人以上の人が故郷に戻れていない現実に胸が痛む」「『避難者数減少=復興が進んでいる』ではない。実態を正確に把握すべきだ」といった、避難されている方々への共感や、正確な情報公開を求める声が多く見受けられます。また、「行政の把握しきれていなかった人たちが、やっと数字に反映されたのは良かったが、これまで支援の手が届いていなかったのではないか」と、今後の支援体制のあり方を問う意見も散見されます。
今回の福島県による再精査で明らかになった「見えない避難」の実態は、私たちが改めて認識すべき重要なポイントです。東京電力福島第一原子力発電所事故という未曾有の事態によって、長期間にわたり故郷を離れざるを得ない人々の生活は、公営の住宅だけに留まりません。専門用語でいうところの「自主避難者」や、親族・知人宅に避難している方々は、行政の支援が行き届きにくい状況にある場合も少なくありません。私たちは、この5万人という数字の裏側に、一つ一つの生活と、その生活を守るための持続的な支援の必要性を強く感じずにはいられません。
東日本大震災から時間が経過してもなお、故郷を離れて暮らす方々がこれほど多くいらっしゃるという事実は、復興への道のりがまだ半ばであることを示しています。政府や自治体は、今回の再精査で判明した実態を重く受け止め、避難されている方々一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかなサポートを強化していく必要に迫られているのではないでしょうか。私たち編集者としても、この重要な実態を継続して伝え、社会の関心をつなぎとめる責務があると考えています。
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