スマートフォンアクセサリー事業で知られる株式会社Hamee(ハミィ)は、主力事業の柱に加えて、新しい分野であるIoT(アイ・オー・ティー)事業を本格的に立ち上げ、注目を集めています。IoTとは「Internet of Things」の略で、身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続され、相互に情報交換をする仕組みを指します。Hameeは、このIoT技術を活用した自社開発のメッセージロボットの販売を本格化させ、事業の安定化と成長を目指すとのことです。従来のスマホケース事業は、スマホ本体の需要変動に大きく影響されやすいという課題がありました。この新事業により、Hameeは収益構造の安定化を図り、1~2年で関連事業の売上高1億円達成という目標を掲げているでしょう。
新事業の中核となるのは、2019年2月に発売された子ども向けメッセージロボット「はみっくベア」(税別4,500円)です。この「はみっくベア」は、その名の通り、愛らしいクマの形をした手のひらサイズの小型端末です。この端末の最大の特徴は、スマートフォンを持たない子どもでも、親のスマホアプリを介してメッセージを双方向でやり取りできる点にあります。親が送ったメッセージを留守番電話のように音声で読み上げてくれるため、文字が読めない幼児でも簡単に利用できる設計となっています。これは、親が外出先から自宅にいる留守番中の子どもと手軽にコミュニケーションを取れる、まさに現代の育児ニーズに応える画期的な製品と言えるでしょう。
さらに「はみっくベア」のシステムは、文字情報や音声情報をクラウド経由でやり取りする仕組みを採用しています。このため、親はアプリを通じて通話内容をいつでも確認でき、子どもの安全を守る上で大きな安心感をもたらすでしょう。また、あらかじめ登録された友人や親戚の「はみっくベア」とも会話できる機能があり、子どもの社会性を育む上でも役立ちそうです。Hameeは、幼児や小学生など、まだスマホや子ども向け携帯電話を持たない家庭を主なターゲットとして、量販店やEC(電子商取引)チャネルで販売を強化していく方針です。このクマ型のかわいらしいロボットは、子どもとのコミュニケーションをより安全で、より豊かなものに変えていく可能性を秘めていると期待されます。
IoTで実現する安心感と収益の安定化戦略
IoT事業の本格展開の背景には、主力のスマホケース事業が抱える構造的な課題があります。同社の看板商品である米アップル社のiPhone向けケース「iFace(アイフェイス)」は非常に人気がありますが、2019年4月期の売上高は前年同期比7%増の100億円を見込む一方で、iPhone本体の販売不振の影響を受け、純利益は18%減の7億1800万円に留まる見通しです。Hameeの樋口敦士社長は「スマホケースは他社依存の事業。自社独自の製品を作る必要がある」と強く語っています。格安スマホの台頭や、ユーザーによるスマホの買い替えサイクルの長期化といった市場の伸び悩みリスクを考慮すると、自社独自のIoT製品を開発し、事業の多角化を急ぐのは賢明な戦略と言えるでしょう。
「はみっくベア」のような自社製品の利点は、単なる販売収益だけでなく、安定的な収入源となる「課金型のサービス」を付加できることです。例えば、高度な見守り機能や教育コンテンツなど、月額で利用できるサービスを追加することで、収益構造をより安定したものに変えることができます。この課金モデルこそ、IoT事業がもたらす最大のメリットであり、Hameeの収益性の改善に大きく貢献すると考えられます。Hameeは今後、1~2年後を目途に第2弾のIoT機器の投入や、「はみっくベア」の新型開発も視野に入れているとのことです。この積極的な投資とスピード感は、市場の期待を裏切らないでしょう。
「はみっくベア」のニュースは、特に子育て層のSNSで大きな反響を呼んでいます。「スマホを持たせるには早すぎるけど、留守番時の連絡手段は欲しい」「電話だと緊張するけど、クマさん経由のメッセージなら気軽」といった共感の声が多く見受けられました。また、可愛らしいデザインも相まって、「子どもが喜んで使ってくれそう」「これなら親も安心して仕事に集中できる」といった肯定的な意見が飛び交っているようです。HameeのIoT戦略は、ただの事業安定化策に留まらず、現代社会における子育てのコミュニケーションと安心という、重要なテーマに一つのソリューションを提供していると言えるでしょう。今後のHameeのIoT事業の本格的な展開に、ますます目が離せません。
コメント