📱携帯料金の「高すぎる」を解消へ!総務省が踏み込む異例の料金規制の背景と違約金1000円化の狙い【2019年6月】

2019年6月、総務省は携帯電話通信市場に新たな規制を導入する方針を固めました。この新規制は、携帯キャリア各社が設定する具体的な料金体系にまで踏み込むという、極めて異例かつ詳細な内容となっている点が大きな特徴です。特に注目されているのは、2年契約の途中で解約する場合に発生していた高額な違約金を、なんと1,000円以下にまで引き下げるという具体的な数値規制です。しかし、本来、商品やサービスの価格設定は企業の自由な競争に委ねるべきものですから、政府がここまで細かく介入することには賛否両論があるのは当然のことでしょう。

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携帯市場の歪みを是正する「時限的」な規制措置

では、なぜこのような異例の規制が必要とされているのでしょうか。その背景には、長年にわたり日本の携帯電話市場に存在している「歪み」が挙げられます。現在、競争原理が十分に機能しているとは言い難い状況があり、これが携帯料金の「高止まり」や「分かりにくさ」の一因となってきました。政府が一時的に市場に介入し、健全な競争環境を取り戻そうとしているのが実情だと言えます。この新規制は、今国会で成立した改正電気通信事業法に基づくもので、具体的な施行は今後進められる予定です。

新規制の柱は二つあります。一つは、先述したように、2年契約(いわゆる「2年縛り」)を中途解約する際の違約金の上限を、従来の9,500円程度から1,000円にまで大幅に引き下げることです。これにより、消費者がより自由にキャリアやプランを選びやすくなり、乗り換えの障壁を低くすることで、市場における競争を促す効果が期待されています。消費者にとっては、解約金に縛られることなく、自分に最適なサービスを選べる「選択の自由度」が格段に高まることでしょう。

もう一つの柱は、携帯電話の販売方法に関する規制です。具体的には、携帯ショップなどで通信契約とセットでスマートフォンなどの端末を販売する際、その値引きや補助の上限額を原則2万円と定めるものです。これは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクといった資金力のある大手3社が、高額な端末補助によって端末を大幅に安く販売することで、市場に新規参入する楽天や、比較的安価なサービスを提供する格安スマホ会社(MVNO)が競争上不利になり、市場から排除されることを防ぐ狙いがあります。これにより、多様な事業者が公正に競争できる環境を整備することが目指されています。

さらに、この端末補助に関する規制は、一部の特定の人気機種、例えば米アップルのiPhoneなどに補助金が偏り、その結果、端末市場全体の競争が妨げられている現状を是正する目的もあります。また、頻繁に高額な端末補助を受けて機種変更を繰り返すユーザーと、同じ端末を長く使い続けるユーザーとの間で生じていた不公平感を解消するという意図も含まれているのです。

これらの数値まで細かく指定した異例の規制が導入される背景には、「日本の携帯料金は欧米各国に比べてなかなか下がらない」「料金体系が複雑で分かりにくい」といった国民の不満、そしてこれに業を煮やした政治の強い意向が作用していると見られます。筆者としては、市場の不均衡を是正するための「一時的」な政府の介入は、やむを得ない措置だと考えます。しかし、本来、価格は市場メカニズム、すなわち企業間の自由な競争によって決まるべきものでしょう。そのため、総務省が「2年をメドに端末の極端な値引きを根絶する」と表明しているように、市場の健全化という目標を達成した際には、速やかに料金への介入をやめ、規制を抜本的に見直すべきです。

この新規制は、大手3社だけでなく、2020年春から次世代通信規格である「5G(ファイブジー)」のサービス開始を予定している新規参入組の楽天にも適用される予定です。5Gとは、現在の4Gに比べて格段に高速・大容量のデータ通信が可能になる技術で、新しいビジネスやライフスタイルを生み出す基盤として期待されています。規制導入に伴い、この5G対応端末の普及が遅れるといった予期せぬ悪影響が出ないか、政府には十分な注意と検証が求められるでしょう。市場の健全な発展と、利用者利益の最大化の両立が図られるか、今後の動向に注目が集まります。

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