世界経済の火種か、それとも巧みな外交か?トランプ政権が挑む自動車関税の「最終期限」とEUの苦悩

2019年11月13日、世界中の経済関係者が固唾を飲んでワシントンからの発表を待っています。トランプ米大統領が、海外から輸入される自動車やその部品に対して、最大25%という高率の関税を課すかどうかの最終判断を下す期限を迎えたからです。この動きは、安価な輸入車の流入がアメリカの国家安全保障を脅かしているという考えに基づいたもので、もし発動されれば自動車業界に激震が走ることは避けられないでしょう。

すでに日本やカナダ、メキシコといった主要なパートナー国とは、交渉によって関税を回避する方向で決着を見ています。そのため、現時点での最大の焦点は欧州連合(EU)との交渉に移りました。トランプ氏は2019年05月に一度、この決断を180日間延期し、その間に有利な条件を引き出すよう通商代表部に命じていましたが、その猶予期間が本日、ついに終わりを迎えるのです。

SNS上では「車が高くなるのは困る」という消費者の悲鳴や、「貿易戦争がこれ以上拡大すれば世界恐慌に繋がるのでは」といった不安の声が目立ちます。一方で、自国産業の保護を掲げるトランプ氏の手腕を支持する声もあり、世論は真っ二つに割れている状況です。自由貿易の象徴とも言える自動車が、今まさに政治的な駆け引きの強力なカードとして使われている事実に、多くの人々が注目しています。

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EUとの溝は深く、農業問題が交渉の「壁」に

アメリカとEUの協議が難航している背景には、農業分野をめぐる根深い対立が存在します。トランプ政権は自動車関税をちらつかせながら、アメリカ産農産品の市場開放を強く求めてきました。しかし、フランスをはじめとする農業大国を抱えるEU側は、この要求を頑なに拒否し続けています。交渉のテーブルに乗るかどうかの「入り口」の部分で、両者の足並みは全く揃っていないのが現状です。

ここで注目されるのが「追加関税」という言葉です。これは通常の関税に上乗せして課される罰金のような税金で、特定の国からの輸入を抑制する強力な武器になります。もし自動車でこの応酬が始まれば、すでに鉄鋼や航空機を巡って対立している米欧関係は決定的な亀裂を迎えるでしょう。EU側も、すでに約4兆2000億円規模の報復リストを準備しており、一歩も引かない構えを見せています。

個人的な見解を述べれば、トランプ氏のこの手法は極めてリスクの高い「チキンレース」だと言わざるを得ません。確かに自国の雇用を守る姿勢は理解できますが、グローバルに繋がったサプライチェーンを関税で分断することは、巡り巡ってアメリカの消費者やメーカー自身の首を絞める結果になるのではないでしょうか。対話による解決が望まれますが、彼のディール(取引)の流儀は常に予測不能です。

最新の情報によれば、トランプ政権は今回の決断をさらに6カ月間、再延期する方針であるとも報じられています。ロス商務長官も、関税という強硬手段を避けるために、ドイツなどの自動車メーカーからアメリカ国内への投資をさらに引き出したいという本音を漏らしました。2019年11月13日の決断が「破滅」ではなく「対話の継続」へと向かうのか、その一挙手一投足から目が離せません。

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