かつては社会の利便性を象徴していた「24時間営業」という看板が、いま大きな転換期を迎えています。もともとは工場の深夜稼働といったライフスタイルの変化に合わせて、外食や小売業界が売上最大化を狙って導入したものでした。夜間に商品の搬入や清掃を効率的に行うメリットもありましたが、2019年11月14日現在の状況を見ると、その維持が限界に達しているのは明らかでしょう。
過去にも営業時間の見直しを巡る議論はありましたが、当時は業界全体の反対によって立ち消えとなっていました。しかし、今回の動きは切実な「人手不足」と「人件費の急騰」が主因であり、現場の悲鳴が経営を動かす決定打となったのが特徴です。SNS上でも「深夜に無理して営業する必要はない」「店員さんの負担を減らすべきだ」といった、持続可能な働き方を支持する声が目立っています。
外食大手が先導する「脱・深夜営業」の波
この改革をいち早く牽引しているのが、直営店を多く抱える外食企業です。2017年には、すかいらーくホールディングスが「ジョナサン」などの24時間営業店舗を約430店から半数へと一気に縮小しました。さらにロイヤルホールディングスにいたっては、同年までに全店での24時間営業廃止を断行しています。本部が直接コストを負担する体制だからこそ、赤字に直結する深夜帯の営業を切り捨てる判断が早かったのでしょう。
一方で、コンビニ業界はフランチャイズ(FC)という独自の仕組みが壁となり、対応が遅れてきました。これは加盟店オーナーが人件費を負担し、本部は売上に応じたロイヤリティを得る構造のため、本部側が時短営業に消極的だったためです。もしコンビニでも柔軟な営業時間が認められるようになれば、日本のサービス業における歴史的な大転換点になると私は確信しています。
営業時間の短縮は、確かに消費者の利便性を一時的に下げるかもしれません。しかし、無理な営業を続けて店舗が潰れてしまえば、元も子もありません。今後は、ロボットを活用した無人化店舗や次世代型のオペレーションを導入し、人口減少社会に適応した「新しい便利さ」の形を模索していくべきです。効率化と人間らしい働き方の両立こそが、令和の時代に求められる企業の姿ではないでしょうか。
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