🏪人手不足時代のコンビニ24時間営業、転換期の行方とは?流通アナリストが語る持続可能なビジネスモデルの可能性

コンビニエンスストア(コンビニ)は、いまや私たち消費者にとって、空気や水のように「あって当たり前」を通り越して、「ないと困る」生活インフラともいえる存在感を確立しています。そのコンビニの象徴とも言える「24時間営業」を巡る議論が、今、大きな転換期を迎えているのです。店舗数が増え続け、利便性を追求してきた一方で、その根幹を支える加盟店の負担増、そして深刻な人手不足が社会問題として顕在化しています。

特に今年2月には、大阪府東大阪市にあるフランチャイズチェーン(FC)加盟店のオーナーが、人手不足を理由に営業時間短縮に踏み切ったことが大きな波紋を呼びました。この出来事に対し、SNS(交流サイト)では「かわいそう」といったオーナーを思いやる声が広く拡散しました。これは、店舗での過重労働への懸念や、政府が主導する「働き方改革」への関心の高まりが背景にあり、一気に社会全体の問題として浮上したと言えるでしょう。

しかし、コンビニにとって、この24時間営業が本格的に浸透し、成長の原動力となった時代を振り返ると、背景には当時の社会構造がありました。流通アナリストの渡辺広明氏がローソンに入社された1990年代のバブル期は、会社のために残業を厭わない「企業戦士」のような労働観が主流で、そうした深夜のニーズにコンビニは見事にマッチしたのです。当初は若い男性が主な顧客でしたが、2011年3月11日の東日本大震災を機に、その高い利便性が老若男女に広く認識され、シニア層の利用も増えていった経緯があります。

渡辺氏は、今回の問題の根源は人手不足に伴う人件費高騰にあると指摘されています。消費者は全ての店舗が時短営業になるのは望んでいないでしょうし、「どこかしらの店舗は開いていてほしい」というのが正直な気持ちではないでしょうか。そうなると、加盟店にとって判断が難しい局面が生まれます。近隣店舗はライバルですから、競合店が営業している中で「自分の店だけ先に閉める」という決断を下すのは、経営上非常に困難な判断になってしまうはずです。

この状況を打開するためには、本部主導での積極的な投資が不可欠でしょう。具体的には、加盟店が少ない人数で店舗運営を行えるよう、省人化(しょうじんか:必要な労働力を削減すること)を推進することが重要です。理想的な形として、従業員がたった一人でも店舗を回せる「ワンオペ」(ワンマンオペレーションの略で、従業員一人で店舗のすべての業務を担うこと)が成り立つシステムを構築することが求められています。

私は、コンビニはこれまで小売業として、消費者の多様な願いを実現してきたと確信しています。公共料金の収納代行や、ATM(現金自動預け払い機)の設置による深夜の現金引き出しなど、これらが提供した利便性は計り知れないものです。その結果、私たちはこれらのサービスを享受し続けています。しかし、今はコンビニが時代に合わせて変化し、さらなる進化を遂げる絶好の機会を得たとも言えるでしょう。これまでの社会変化への対応力を考えれば、必ずや持続可能な道を見つけ出せるはずです。

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働き方改革と持続可能性:コンビニを超えたサービス産業全体の課題

コンビニが直面している24時間営業見直しの課題は、決してコンビニ業界だけの問題に留まりません。働き方改革が進展し、消費者のライフスタイルも変化する中で、他の小売り、外食、宅配サービスなど、人手を介するすべてのサービス業が、人手不足や労働環境の改善といった共通の課題に直面しているのです。これまでコンビニは、24時間営業に加え、公共料金収納代行やATM設置など、次々と新しいサービスを提供することで、消費者の利便性を追求し、安定的な成長を遂げてきました。

しかし、店舗網の飽和感と長期化する人手不足、それに伴う人件費の高騰が、加盟店の利益を圧迫しているのが現状です。時代とともに変化を遂げてきたコンビニが、この難局を乗り越え、消費者とそこで働く人々双方にとって納得できる持続可能なビジネスモデルを再び構築できるか。24時間営業見直しを巡る議論は、今後の日本のサービス産業全体のあり方を占う試金石となることでしょう。

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