あきたこまちが台湾へ!佐川急便と挑む「海外産直」で日本のコメがもっと身近に

秋田が誇るブランド米「あきたこまち」が、新しい物流の形を携えて海を渡ります。2019年11月21日、秋田県大潟村の「大潟村あきたこまち生産者協会」は、商社を介さない画期的な輸出事業をスタートさせました。今回の第一歩となる舞台は台湾で、日本の農家が直接現地の食卓へ届ける、まさに「海外版・産地直送」とも言える挑戦が始まったのです。

このプロジェクトの最大の特徴は、佐川急便のグローバルな物流網をフル活用している点にあります。一般的な海外輸出では、輸出商社や輸入商社など多くの仲介業者が関わりますが、これらを排除することで多額の手数料をカットしました。その結果、これまで現地で非常に高価だった日本産のコメが、より手に取りやすい価格で提供されることになります。

SNS上では「農家が直接海外と繋がるのは夢がある」「送料を抑えても品質が変わらなければ、日本の農業にとって大きな転換点になるはず」といった期待の声が寄せられています。特に、中間コストを省いて現地の販売価格を下げる試みについては、消費者と生産者の双方にメリットがあるとして、業界内外からも熱い視線が注がれているようです。

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コストを抑え鮮度を保つ「海外産直」の仕組み

今回の輸出量は、玄米やパックご飯、さらには人気の甘酒などを含む計9.2トンに及びます。これらの商品は冷蔵コンテナに丁寧に積み込まれ、仙台港を出発しました。2019年11月末には台湾の基隆(キールン)港へ到着する予定で、そこからは協会が現地で管理する倉庫に直接保管され、受注に応じて迅速に発送される体制が整っています。

さらに注目すべきは、現地の販売代理店に「精米機」を設置するというこだわりです。コメは精米した瞬間から酸化が進み風味が落ちてしまいますが、注文を受けてから現地で精米することで、日本国内で食べるのと変わらない「炊きたての美味しさ」を届けることが可能になりました。在庫管理には最新のITシステムを導入し、効率化を徹底しています。

これまで商社を経由していた際は、現地価格が日本国内の2.5倍にまで跳ね上がることも珍しくありませんでした。しかし、この「海外産直」モデルを確立することで、価格を2倍未満に抑えられる見通しです。安価な地元産のコメに対抗しつつ、日本米の高いクオリティを武器に、高級スーパーや日本食レストランでのシェア拡大を狙います。

日本の農業を救う新たな輸出のスタンダードへ

大潟村あきたこまち生産者協会は、過去8年にわたり海外市場の開拓に心血を注いできました。涌井徹社長は、今回の台湾進出を皮切りに、この「海外産直プロジェクト」を他の国や地域にも積極的に展開していく構えを見せています。将来的には自社製品だけでなく、秋田県全体の農作物や加工食品を届けるインフラとしての活用も期待されています。

筆者の視点として、この試みは単なる「安売り」ではなく、生産者の顔が見える「信頼の輸出」だと感じます。多くの仲介業者が入ると生産者の想いは届きにくくなりますが、直販体制なら品質管理への責任感もダイレクトに伝わります。人口減少が進む日本において、こうした攻めの農業が、地方を元気にする起爆剤となるのは間違いないでしょう。

農林水産省からの補助金も活用し、国を挙げたバックアップのもとで進むこの事業は、まさに次世代の農業モデルです。2019年11月21日に放たれたこの一矢が、台湾の人々の食習慣にどのような変化をもたらすのか、非常に楽しみです。美味しいコメが国境を越えて愛される未来は、もうすぐそこまで来ています。

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