2019年7月に世界文化遺産への登録が決定し、今まさに熱い注目を浴びているのが大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」です。その象徴ともいえる日本最大の仁徳天皇陵古墳(大山古墳)に隣接する「大仙公園」は、歴史の息吹を肌で感じられる絶好のスポットといえるでしょう。約38ヘクタールの広大な敷地には、博物館や美しい日本庭園が点在しており、堺の豊かな文化を深く知るための玄関口として賑わいを見せています。
仁徳天皇陵といえば、あの特徴的な鍵穴の形をした前方後円墳として有名ですが、地上からではその巨大さゆえに全貌を掴みづらいのが難点でした。しかし、そんな悩みも最新技術が解決してくれます。2020年の春には、園内から気球を揚げて上空から古墳を眺める試みも予定されており、空からの景色を楽しみに待つ声がSNS上でも多く聞かれます。視点を変えることで、古代の人々が築き上げたスケールの大きさに改めて圧倒されるはずです。
VRでタイムトラベル!博物館で味わう没入体験
「古墳の中に入ってみたい」という好奇心を満たしてくれるのが、園内にある堺市博物館です。ここでは、高度なCGを用いたVR(仮想現実)体験が用意されています。VRとは、専用のゴーグルを装着することで、まるでその場にいるかのような立体的な映像を360度パノラマで楽しめる技術のことです。地上300メートルの視点から古墳群を眺めたり、通常は立ち入り禁止の内部に潜入したりと、バーチャルならではの貴重な冒険があなたを待っています。
多言語の音声ガイドも完備されているため、海外からのゲストも安心して楽しめるのが嬉しいポイントですね。実際に2019年7月から10月にかけての入館者数は、前年の約2.5倍となる12万4800人を記録しました。世界遺産という称号が持つ影響力の強さと、人々の関心の高さが数字にもはっきりと表れています。博物館で知識を蓄えた後に、園内に点在する8基の小さな古墳を巡れば、より親近感を持って歴史を学べることでしょう。
利休の心に触れる茶室と、鉄の絆が生んだ自転車文化
歴史探訪の合間には、11月下旬ごろまで紅葉が見頃を迎える日本庭園で一休みしてはいかがでしょうか。堺は茶道を大成した千利休のゆかりの地でもあり、園内の茶室では椅子に座って気軽に抹茶をいただける「立礼席(りゅうれいせき)」が用意されています。本格的なお茶の作法を知らなくても、四季折々の景色を眺めながら一服する時間は、まさに至福のひとときです。伝統文化が日常に溶け込んでいるのは、自由都市として栄えた堺ならではの魅力です。
さらに、公園の隣にある「自転車博物館サイクルセンター」も見逃せません。実は古墳づくりに使われた鉄加工の技術が、のちに鉄砲や刃物、そして自転車製造へと受け継がれていったというから驚きです。世界的な部品メーカーであるシマノの本社が堺にあるのも、この歴史的な背景があってこそ。1947年に戦災復興のシンボルとして計画されたこの公園は、今もなお進化を続けています。古代から現代まで繋がる「技術のバトン」を感じながら、一日中遊び尽くせる魔法のようなエリアです。
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