海外へお金を送る際、銀行の窓口で提示される高い手数料や不透明な為替レートに驚いた経験はないでしょうか。そんな国際送金の「当たり前」を根底から変えようとしているのが、イギリスに本拠を置くフィンテック企業のトランスファーワイズです。2019年12月06日、同社のクリスト・カーマン最高経営責任者(CEO)は、さらなる手数料の引き下げを断行する意欲を明らかにしました。
同社が発表した2019年03月期の連結決算によれば、純利益は過去最高を塗り替えるという目覚ましい成果を収めています。多くの新興企業が赤字を掘りながら規模を拡大するなかで、利益をしっかりと出しつつ成長を加速させている点は、同社のビジネスモデルがいかに盤石であるかを物語っているでしょう。SNS上でも「銀行を使うのが馬鹿らしくなるほど速くて安い」といったポジティブな反応が相次いでいます。
ここで、彼らが武器とするフィンテックという言葉について少し触れておきましょう。これは「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語であり、ITを駆使してこれまでにない便利な金融サービスを生み出す動きを指します。トランスファーワイズは、独自の仕組みによって中継銀行を介さない送金を実現し、中間コストを徹底的に排除することで、既存の金融機関には到底真似できない低価格を実現しました。
伝統的な銀行の牙城を崩す「透明性」という最強の武器
クリスト・カーマンCEOが強調するのは、単なる安さだけではありません。彼は、既存の銀行が採用している不透明な「隠れコスト」の存在を厳しく批判し、常に公正な市場レートを適用することを約束しています。こうした姿勢は、情報の非対称性に悩まされてきた利用者から熱狂的な支持を集めており、伝統的な金融機関のシェアを確実に奪い取っていくことになるでしょう。
筆者の視点から言わせていただければ、この動きは単なる一企業の成功に留まらず、金融業界全体の民主化を加速させる極めて重要なターニングポイントだと確信しています。これまでの独占的な利権構造が崩れ、利用者が正当な対価でサービスを選べる時代がようやく到来したのです。利便性と透明性を追求する同社の快進撃は、今後もグローバル経済のあり方を劇的に変えていくに違いありません。
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