日本の空の歴史が、今まさに大きな転換点を迎えようとしています。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の日系大手2社は、2020年3月29日に予定されている羽田空港の国際線発着枠拡大に合わせ、欧米路線の拠点を劇的にシフトさせる方針を固めました。長らく「国際線の成田、国内線の羽田」という役割分担が続いてきましたが、ついに羽田発の欧米路線数が成田発を上回る逆転現象が起こるのです。
SNS上では「都心からのアクセスが圧倒的に楽になる」「海外出張の負担が減りそうで嬉しい」といった期待の声が上がる一方で、成田空港の今後の役割を案じる書き込みも見受けられます。今回注目すべきは「発着枠」の拡大です。これは空港が1時間あたりに航空機を離着陸させられる回数の制限を緩和することを指し、これにより都心に最も近い羽田から、より多くの世界都市へ飛び立てる環境が整ったといえるでしょう。
ANAは路線網を倍増!ミラノやイスタンブールへも新規就航
具体的な戦略を見ていくと、ANAの攻勢が非常に際立っています。同社は現在9つある羽田発の欧米路線を、一気に2倍の18路線へと拡充させる計画です。特筆すべきは、サンノゼやワシントンといった米国4路線を成田から羽田へ移管するだけでなく、ミラノやイスタンブールといった魅力的な都市へも新たに翼を広げる点でしょう。成田発は7路線に絞られますが、羽田を欧米戦略の心臓部として再定義する決意が伺えます。
一方のJALも、米国方面を中心に羽田発のラインナップを強化する見通しです。これまでは4路線に留まっていましたが、2020年3月以降は10路線前後まで引き上げられる予定となっています。両社を合計すると、羽田発の欧米路線は約27に達するのに対し、成田発は約15に留まる見込みです。ビジネス需要が極めて高い長距離路線の「羽田シフト」は、もはや決定的な流れになったと断言できるのではないでしょうか。
インバウンド需要の加速と、成田・羽田の「新たな共存」
今回の再編は、単なる路線の引っ越しではありません。羽田空港は都心への近さに加え、日本全国へ広がる国内線ネットワークを有しています。海外からの旅行客、いわゆるインバウンドの方々が、羽田に到着してそのままスムーズに地方都市へと乗り継げるようになるのです。日本政府が掲げる観光立国の実現に向けて、この利便性の向上は極めて大きな意味を持つことでしょう。編集部としても、この変化は日本の国際競争力を高める好機だと捉えています。
では、成田空港の役割はどうなるのでしょうか。今後は国際線同士を繋ぐ「乗り継ぎ拠点(ハブ)」としての機能や、格安航空会社(LCC)の拠点としての色彩をさらに強めていくことになります。低価格な旅を楽しみたいレジャー層と、効率を重視するビジネス層で、空港の使い分けがより明確に進むはずです。2019年11月19日現在の動向を見る限り、日本の空はかつてないほど多様で便利なものへと進化しつつあります。
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