川崎信用金庫の2019年9月中間決算を分析!不動産融資の好調とコスト削減で本業利益が大幅増

神奈川県川崎市を中心に地域経済を支える川崎信用金庫が、2019年11月13日に2019年4月から9月期の単独決算を発表しました。今回の発表で最も注目すべき点は、本業でどれだけ効率的に稼げたかを表す「実質業務純益」が、前年同期比で13%も増加し、19億5000万円に達したことでしょう。低金利政策が続く厳しい金融環境にあっても、確かな収益力を示しています。

実質業務純益とは、銀行や信用金庫が預金の貸し出しや手数料などで得た利益から、人件費などの経費を差し引いた、いわば「本業の地力」を示す指標です。近年は市場の金利が低いため、有価証券の運用による利息収入は減少傾向にありました。しかし、人件費の抑制や過去に行ったシステム投資などの減価償却費が一段落したことで、コストの大幅な削減に成功したことが利益を押し上げる結果となりました。

一方で、最終的な利益となる税引き利益については、12億7400万円と前年同期に比べて42%減少しています。これは、2018年同期に発生した「貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)」の戻し入れ益という特殊な要因がなくなったためです。貸倒引当金とは、融資が回収できなくなるリスクに備えてあらかじめ計上しておく準備金のことですが、状況が改善して不要になれば利益として計上されます。今回はその反動が出た形ですね。

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川崎市の人口増を背景にした不動産融資の勢い

2019年9月末時点での貸出金残高を見ますと、1兆1709億円と前年より5%増加しており、地域経済への資金供給が活発な様子が伺えます。中でも目を引くのが、貸出金全体の36%を占める不動産賃貸業向け融資の伸びです。前年同期比で10%増の4178億円にまで膨らんでおり、川崎信用金庫の堀米博常務理事も、市内の人口増加に伴う賃貸住宅需要の旺盛さに自信をのぞかせています。

SNS上では「地元の信金が元気なのは心強い」といった声がある一方で、「不動産融資への偏りを懸念する」という慎重な意見も見受けられます。しかし、現在の川崎市は転入者が多く活気に満ちており、融資先の物件入居率も非常に高い水準を維持しています。住宅ローンをはじめとする個人向け融資も3130億円と堅調に推移しており、地域密着型の経営スタイルが功を奏していると言えるでしょう。

経営の健全性を示す自己資本比率は12.39%となっており、2019年3月末と比較してわずかに低下したものの、国内基準を大きく上回る高い水準を保っています。編集部としては、単にコストを削るだけでなく、成長著しい地元市場のニーズを的確に捉えている点に同庫の強みを感じます。安定した財務基盤を背景に、今後も地域経済の起爆剤としての役割を果たすことが期待されるでしょう。

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