セブンイレブン、40年以上続く「残業代未払い」の衝撃。3万人への4.9億円返還と問われる企業倫理

コンビニ最大手のセブン―イレブン・ジャパンにて、長年にわたる深刻な労務問題が浮上しました。同社は2019年12月10日、全国の加盟店で勤務するアルバイトやパート従業員に対し、残業手当の一部を適切に支払っていなかった事実を公表したのです。驚くべきことに、この未払いは創業期の1970年代から継続していた可能性が極めて高く、日本を代表する企業の管理体制が根底から揺らいでいます。

今回の事態を受け、永松文彦社長は記者会見の場で「非常に大きな問題であり、深く反省したい」と謝罪の意を表明しました。記録が残っている2012年3月以降の分だけでも、対象者は約3万人にのぼり、未払い総額は約4億9000万円という巨額に達しています。1人あたりの平均額は約1万6000円ですが、なかには280万円もの高額な不足分が発生していたケースもあり、事態の深刻さが伺えるでしょう。

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杜撰な計算式と隠蔽の歴史

問題の引き金となったのは、2019年9月に労働基準監督署から受けた指摘でした。セブン本部が代行していた給与計算において、労働基準法で定められた「割増賃金」の算出方法に誤りがあったことが判明したのです。具体的には、精勤手当や職責手当といった諸手当が、残業代を計算する際の基礎となる賃金に含まれていませんでした。本来これらは基本給と同様に算入されるべき性質のものです。

さらに憤りを感じざるを得ないのは、2001年6月にも同様の指摘を受けていたにもかかわらず、当時の経営陣がその事実を公表せず、隠蔽に近い形で放置していた点です。今回の会見で永松社長は「当時公表されるべきだった」と述べるに留まりましたが、20年近くも不利益を被り続けた従業員の心情を察すると、企業の社会的責任を軽視していたと言わざるを得ません。

相次ぐ不祥事と失われた信頼

インターネット上では「これほどの大企業が法律を正しく理解していなかったとは信じがたい」「現場の苦労を何だと思っているのか」といった、厳しい批判の声が相次いでいます。セブンペイの不正利用によるサービス終了や、本部社員による「おでん無断発注問題」が記憶に新しい中、今回の不祥事は加盟店オーナーからの信頼を決定的に損なうものとなりました。

人手不足が叫ばれる昨今のコンビニ業界において、従業員は店舗運営を支える宝であるはずです。それにもかかわらず、本部が最も基本的な「給与の支払い」を疎かにしていた事実は、業界全体のイメージダウンにも繋がりかねない悪手でしょう。社長の報酬返上といった表面的な対応だけでなく、組織の体質そのものを刷新するような、抜本的な改革が行われることを切に願います。

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