Google創業者「最強デュオ」が退任へ!「邪悪になるな」と突き進んだ21年間の軌跡と新たな対話への期待

ITの歴史を振り返ると、そこには常に時代を象徴する「二人組(デュオ)」の存在がありました。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏、そしてアップルのスティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏。そんな伝説的な偉人たちに肩を並べる、類いまれな個性がついに第一線から退くことになりました。

2019年12月初旬、米グーグルの創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏の二人が、親会社アルファベットの最高経営責任者(CEO)および社長の職を退くと発表しました。現在46歳の二人がスタンフォード大学で出会い、会社を設立してから21年。彼らが打ち出した経営手法は、まさに既存の常識を打ち破る斬新なものでした。

「エンジニアが業務時間の20%を自由な研究に充てる」という有名なルールや、無料の豪華な社員食堂、さらには特殊な株式構造による強固な議決権の維持。こうした手法は、世界中の起業家や大企業の戦略に多大な影響を与えてきました。SNSでも「一つの時代が終わった」「彼らの自由な発想が今のネットを作った」と、惜しむ声と感謝が溢れています。

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マイクロソフト帝国への挑戦と「邪悪になるな」の精神

グーグルの最大の功績は、かつて「帝国」とまで称されたマイクロソフトに真っ向から挑んだことにあると私は確信しています。「邪悪になるな(Don’t be evil)」というスローガンを掲げ、広告収入を武器に数々の無料ネットサービスを展開。圧倒的なスピード感で世界中のユーザーの心を掴んでいきました。

かつてゲイツ氏に「最も手ごわいライバル」と言わしめたグーグルは、創業から年商100億ドルに達するまで、わずか8年という驚異的な記録を打ち立てました。2008年にマイクロソフトが米ヤフーの買収を画策した際も、グーグルは巧みな牽制でこれを阻止し、ネットの世界が特定の巨大企業に独占されることを防いだのです。

彼らが研究に没頭していたスタンフォード大学のビルが、皮肉にもゲイツ氏の寄付で建てられたものだったというエピソードは、実に示唆に富んでいます。その恩恵を受けて育った若者が、後に巨人を翻弄する存在へと成長した。これは、新しいテクノロジーと自由な発想こそが健全な競争を生むという、産業史における重要な証明だと言えるでしょう。

巨大化の代償と、社会との「対話力」という新たな課題

しかし、そんなグーグルも、かつて自らが挑んだマイクロソフトと同じ「巨大化ゆえの壁」に直面しています。近年は欧州連合(EU)の規制当局から、独占禁止法(市場での公正な競争を妨げる行為を禁じる法律)違反として、検索や広告の分野で3度もの巨額制裁金を命じられる事態となっています。

グーグル側にも言い分はあるはずですが、こうしたトラブルが続く背景には、彼らの「対話力」の弱さがあるのではないでしょうか。Gmailのプライバシー懸念や図書館のデジタル化計画など、過去にも説明不足から社会の反発を招く場面がありました。技術が優れているだけでは、もはや人々の安心を得ることはできない時代に突入しているのです。

私は、これからのテクノロジー企業に必要なのは、単なる革新性だけでなく「副作用」も含めた誠実な情報開示だと考えます。近年、創業者の二人が公の場から姿を消し、顔が見えにくくなっている点は懸念材料です。大株主として今後も影響力を持ち続けるからこそ、透明性の高い説明責任がこれまで以上に求められています。

11年前の2008年、ニューヨークで行われた初のスマホ発表会で、二人が交通渋滞をインラインスケートで駆け抜け、遅れてでも会場に現れた姿が目に浮かびます。あの時、自分の言葉で製品への熱意を語ったように、再び表舞台で彼らのビジョンに触れられる機会を、世界中の人々が待ち望んでいるはずです。

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