スペインのマドリードで開催されている第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議、通称「COP25」は、2019年12月13日の最終日を迎えてもなお、熱を帯びた議論が続いています。今回の焦点は、各国が掲げる温暖化ガスの削減目標をどこまで積み増しできるかという一点に集約されました。各国間の意見の隔たりは予想以上に大きく、会期を延長してでも合意を目指す緊迫した情勢となっています。
いよいよ2020年から、地球温暖化対策の国際的なルールである「パリ協定」の本格的な運用が始まります。この協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えることを至上命題として掲げています。しかし、現在各国が提示している削減計画のままでは、この目標を達成するのは極めて困難であるという厳しい現実が、専門家からも突きつけられているのです。
日本への厳しい視線と84カ国の決意
議長国を務めるチリは2019年12月11日、すでに84カ国が削減目標の引き上げに前向きな姿勢を見せていると発表しました。一方で、主要排出国である日本は現時点で目標の上積みを表明しておらず、国際社会からの風当たりが強まっています。経済成長と環境保護の両立は容易ではありませんが、世界基準の「脱炭素」の流れに取り残されることは、日本企業にとっても大きなリスクとなりかねません。
SNS上では「日本ももっとリーダーシップを発揮すべきだ」という叱咤激励の声や、「具体的な削減策が見えない」といった厳しい意見が相次いでいます。若者層を中心に環境問題への関心が高まっている今、企業の姿勢が消費者の選択に直結する時代が到来したと言えるでしょう。単なる努力目標ではなく、実効性のある数値目標を掲げることが、これからのグローバルスタンダードになるはずです。
排出量取引という新たな経済の枠組み
今回の会議で激しい論争の的となっているのが、排出量取引の具体的なルール作りです。これは、国や企業が削減しきれなかった温暖化ガスの排出枠を、他者と売買できる仕組みを指します。効率的に社会全体の排出量を減らすための「市場の力」を活用する試みですが、その計算方法や透明性を巡って、各国の利害が複雑に絡み合っているのが現状といえます。
編集者の視点から見れば、このCOP25での決定は、決して遠い国の政治の話ではありません。今後、あらゆる企業に対して、より厳格な環境負荷の低減が求められることは確実でしょう。今こそ、従来のビジネスモデルを抜本的に見直し、環境をコストではなく「投資」と捉えるマインドセットへの転換が必要です。地球を守るための決断が、結果として企業の持続可能性を高める鍵となるに違いありません。
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