2019年12月17日の午後、自民党本部の熱気は最高潮に達していました。外交部会長の中山泰秀氏をはじめとする面々が、大きな拍手で茂木敏充外相を送り出したのです。これは2020年度予算案における外交予算の確保に向けた、麻生太郎財務相との「閣僚折衝(各省のトップが財務省と直接交渉すること)」へ向かうための重要な儀式でした。
かつての予算編成において風物詩となっていた「復活折衝」という言葉をご存知でしょうか。これは財務省が一度提示した内示案に対し、政治家が強く反発して予算を積み増しさせるプロセスを指します。しかし、バブル崩壊後に財政赤字が深刻化するにつれ、この制度は実質的な中身を伴わない、いわゆる「形骸化」が叫ばれるようになっていったのです。
転換点となったのは、2008年に当時首相を務めていた麻生太郎氏が決断した復活折衝の廃止でした。官邸主導による迅速な意思決定を目指したこの改革により、予算案が決定するまでのスピードは年々早まっています。SNS上では「密室でのやり取りが減った」と透明性を評価する声がある一方で、「議論が拙速すぎるのではないか」という懸念も散見されます。
編集者としての視点から見れば、このスピード感は現代の激動する国際情勢に対応するために不可欠な進化だと言えるでしょう。ただし、短時間での折衝が単なる「形式的な承認」に終わってしまえば、民主主義における予算監視の機能が損なわれるリスクも孕んでいます。効率性と熟議のバランスをどう保つかが、これからの予算編成における真の課題となるはずです。
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