誰もが快適に過ごせる社会の実現に向けて、日本の公共建築物が大きく生まれ変わろうとしています。政府は現在、全国にある美術館や博物館、そして公立の小中学校において、障壁を取り除くバリアフリー化の取り組みを急ピッチで進めているのです。今回の施策は、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機としたもので、障害を持つ方々や高齢者が安心して暮らせる環境づくりが目的となっています。この大規模な計画に対して、SNS上では「ようやく学校の改修が進む」「誰もが芸術を楽しめるようになってほしい」といった期待の声が続々と寄せられている状況です。
今回の計画を推し進めるため、政府は2020年1月召集の通常国会に関連法案を提出する方針を固めました。具体的には、国土交通省と文部科学省が連携してバリアフリー法の改正を検討しているほか、地域の魅力を高める「文化観光拠点」を整備するための新法案も準備されています。これらはすべて、2020年度中の施行を目指して社会の仕組みをアップデートしていく構えです。国が地方自治体への指導を強めることで、日本全体の都市環境がより優しく、そして機能的に進化していくことは間違いありません。
観光の要である文化施設を手厚くサポート
地域の観光拠点として重要な役割を担う美術館や博物館に対しては、非常に手厚い財政支援が検討されています。障害者の方々が気軽に足を運べるよう、改修費用の最大3分の2までを国が補助するという画期的な内容です。2020年度は文化庁の関連予算から約15億円が投入される予定となっており、これによりスロープの設置や段差の解消が各地で一気に加速するでしょう。これまでは予算の関係で改修をためらっていた地方の小規模な施設にとっても、今回の補助金制度は大きな追い風になるはずです。
文化観光拠点とは、地域の文化財やアートを活かして国内外から観光客を呼び込むための中心的な施設を指します。筆者の視点としても、単に古い建物を保存するだけでなく、最新のユニバーサルデザインを取り入れて誰もがアクセスできるようにすることは、観光立国を目指す上で必須の戦略だと確信しています。バリアフリー化によって移動の制限がなくなれば、車いすを利用する方やベビーカーを押す子育て世代も含め、さらに多くの人々が豊かなアート体験を享受できるようになるでしょう。
公立小中学校でも車いす対応が義務化へ
今回の法改正で特に注目すべきなのが、全国に約3万校存在する公立の小中学校に対するバリアフリー化の義務付けです。これまでは障害のある児童が専門的に通う特別支援学校のみが義務の対象でしたが、その範囲が一般の学校へと一気に拡大されます。これによって、校舎の大規模な改修が行われるタイミングに合わせ、車いすがスムーズに入れるトイレや廊下の手すり、エレベーターなどが順次設置される見込みです。地域の避難所としても機能する学校の改修は、災害対策の面でも極めて有意義な選択と言えます。
さらに、この取り組みは建物といったハード面だけに留まりません。鉄道やバスなどの公共交通機関において、駅員や運転手が障害を持つ乗客を適切にサポートできるよう、介助技能の習得を義務付ける方針も盛り込まれました。このように物と人の両面から心のバリアフリーを育む姿勢は、これからの日本に不可欠な要素です。誰もが排除されない教育環境と移動手段が整うことで、私たちの社会はより成熟した、温かみのある場所へと変貌を遂げていくに違いありません。
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