静岡県内の経済を支える小規模企業の間で、いま少しずつ不安の影が広がっています。静岡県商工会連合会が発表した2019年11月の小規模企業景気動向調査によりますと、企業の景気に対する実感を現す「業況DI」が全産業でマイナス12.3を記録しました。これは前月と比べて2.2ポイント下落した数値であり、2カ月連続で景気の実感が悪化している現状が浮き彫りとなっています。
ここで登場する「業況DI」とは、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた指標のことです。この数字がマイナスに振れているということは、それだけ経営が苦しいと感じている企業が多いことを意味しています。今回の調査は2019年11月末に、県内35の商工会に所属する経営指導員へのアンケートを通じて実施され、現場のリアルな声が反映された形となりました。
SNS上でもこの結果に対して、「増税の影響がじわじわ効いてきている」「現場の人手不足は本当に深刻だ」といった、中小企業の先行きを不安視する声が数多く上がっています。業種別に詳細を見ていきますと、特に建設業やサービス業の落ち込みが目立つ結果となりました。これまで比較的堅調だった建設業ですが、人件費や建築資材の価格高騰がダイレクトに響き、前月から8.8ポイントも低下して5.9へと急落しています。
また、私たちの生活に身近なサービス業も4.9ポイント低下のマイナス16.7へと悪化しました。同連合会の担当者によりますと、クリーニング店や理髪店へ行く頻度を減らす消費者が増えているそうです。これは2019年10月に実施された消費税率の引き上げに伴い、生活防衛のために出費を抑えようとする消費者の節約志向が強まっている証拠と言えるでしょう。
一方で、わずかながら明るい兆しが見えたのは小売業です。冬物の衣類が順調に売れたことで、前月から4.9ポイント改善してマイナス24.5となりました。しかし、依然として大幅なマイナス圏を脱したとは言えず、製造業もマイナス13.7の横ばいで足踏みを続けています。このように、衣類の売れ行きといった季節的な好材料はあるものの、全体を牽引するほどのパワーには至っていません。
私は今回の結果を拝見し、増税による買い控えと深刻な労働力不足という「二重苦」が、地方の小さな企業を直撃していることに強い危機感を覚えました。大企業のような体力がない小規模企業にとって、人件費の上昇や消費者の財布の紐が固くなる現象は、まさに死活問題です。国や自治体による、より具体的で即効性のある経営支援策の実施が、今まさに求められているのではないでしょうか。
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