日本のファッション界を牽引する大人気ブランドが、次なる成長の舞台として隣国・中国への進出を加速させています。「ユニクロ」や「無印良品」が築き上げた成功の軌跡を追いかけるように、今度は「GU(ジーユー)」や「niko and …(ニコアンド)」が上海の街を熱狂させているようです。国内の人口減少に伴う市場縮小に危機感を持つアパレル企業にとって、経済成長と強烈な消費意欲を誇る中国は、何としても獲得したい巨大市場なのでしょう。
カジュアルな価格帯でトレンドを提案するGUは、2019年12月20日に上海の有名商業施設「上海正大広場」などへ一挙に3店舗を同時オープンさせました。これにより中国本土の店舗数は13店舗へと拡大しています。現地では10代後半から20代前半の女性をターゲットにした新コレクション「ミックスマニア」を日本に先駆けて先行発売しており、エッジの効いたデザインがアジアの若者の心を掴んでいるようです。ネット上でも現地ファンから喜びの声が上がっています。
GUを運営するファーストリテイリングは、デモや不買運動などの影響で逆風が吹く香港や韓国を避け、今後は上海や広州市といった既存エリアを軸に攻勢をかける構えです。柚木治社長が掲げる「当面は海外50店舗」という目標において、中国が最重要拠点であることは間違いありません。一方、アダストリアが展開するライフスタイル提案型ブランドのニコアンドも、2019年12月に上海の中心部へ大型のグローバル旗艦店を出店しました。
単独ブランドで挑むアダストリアの勝算と独自性の戦い
これまでは複数のブランドを束ねる複合店形式を採用していたアダストリアですが、今回は満を持してニコアンドの単独出店に踏み切りました。3階建ての広大な新店舗には、限定の衣料品や雑貨が並ぶだけでなく、ブランド初となるフードコートまで併設されています。この斬新な試みはSNSでも「おしゃれな空間で1日中過ごせる」と大バズりしており、連日約3万人が詰めかけ、カフェには1時間待ちの行列ができるほどの大盛況です。
ここで注目したい専門用語が「旗艦店(フラッグシップストア)」です。これはブランドの顔として、コンセプトや世界観を最大限に表現した中心的な店舗のことで、認知度を一気に高める役割を持ちます。国内重視だった同社がこの勝負に出たのは、中長期的な成長に海外進出が不可欠だからでしょう。すでに中華圏で約850店を展開するユニクロや、約265店を構える無印良品のように、現地に深く根を下ろせるかが分かれ道となります。
筆者の視点として、欧米のファストファッションや台頭する中国ローカルブランドとの激しい競争に勝つためには、単なる価格競争ではなく「日本発のカルチャー」としての独自性をいかに浸透させられるかが鍵になると考えます。GUのトレンド対応力やニコアンドの体験型店舗のような、他社には真似できない唯一無二の価値を提供し続けることができれば、日本のアパレル産業は世界でさらに輝きを放つに違いありません。
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