日常のふとした瞬間に、応援したい企業の株をその場で買えたら素敵だと思いませんか。お気に入りのレストランが改装されて賑わっているのを見て、スマートフォンから数株だけ注文を入れるといった光景が、アメリカの若者の間では当たり前になっています。食事をしていた仕事仲間たちも次々と画面をタップし、ほんの数秒で手続きを済ませてしまうほどです。彼らが愛用しているのは、1000万人以上のユーザーを抱える大人気株取引アプリ「ロビンフッド(Robinhood)」という革新的なサービスに他なりません。
このアプリがこれほどまでに支持される理由は、徹底的に投資のハードルを下げた点にあります。利用者の年齢の「中央値」が30歳というデータが示す通り、まさに新世代のためのプラットフォームと言えるでしょう。ここで言う中央値とは、データを順に並べたときに真ん中にくる値のことで、若年層が中心になって動かしている証拠です。しかも、利用者の約半数が人生で初めて投資を経験する初心者だというから驚きを隠せません。SNS上でも「これなら自分にもできる」と大きな反響を呼んでいます。
驚くべきは、取引にかかるプロセスの圧倒的なシンプルさです。気になる銘柄のページを開き、取引ボタンから購入か売却を選んで株数を入力するだけで、わずか5タップほどで手続きが完了してしまいます。従来の金融機関のような複雑なステップは一切存在せず、取引時間内であればほぼ瞬時に売買が成立する仕組みです。時間外の注文であっても、次に市場が開いたタイミングで自動的に処理されるため、忙しい現代人のライフスタイルにも見事に調和します。
さらに特筆すべきなのが、1株未満からでも売買ができる最先端の機能です。例えば、EC大手の米アマゾンの株価は2020年1月17日現在で1株1900ドル前後、日本円にして約20万円と非常に高額になっています。これでは初心者が手を出すには少し勇気が必要ですが、ロビンフッドなら1ドル単位、あるいは細かな少額からでも購入が可能です。高嶺の花だった優良株に100ドル分だけ投資するといった柔軟な運用が、手数料を一切払うことなく実現します。
実際に2016年からこのアプリで運用を続けているユーザーからは、手続きの手軽さゆえに投資が楽しくなり、資産が着実に増えているという声が届いています。直近1年間の運用成績で上昇率23%を記録した例もあり、非常に魅力的な実績と言えるでしょう。給料日後に一定額を自動で振り込む設定にしておけば、預けた資金に年利1.8%の利息が付くプレミアムなサービスも一部で展開されており、ただ口座にお金を置いておくだけでも資産形成に繋がります。
ラップで学ぶ投資情報?型破りなビジネスモデルの秘密
ここで疑問に思うのが、すべての取引手数料が無料でありながら、一体どこで利益を上げているのかという点です。同社は毎月5ドルを支払うサブスクリプションの上位プランを用意しており、これに加入したユーザーは、より深い市場分析データへのアクセスや投資資金の借り入れが可能になります。また、メディア事業にも力を入れており、買収したポッドキャスト番組を通じて、毎日15分で3つの重要ニュースを分かりやすく解説する配信も行っているのです。
新世代の心を掴む演出として、番組の冒頭に流れる投資の「免責事項」が、なんと軽快なラップミュージックで表現されています。免責事項とは、投資におけるリスクや自己責任について説明する堅苦しい注意書きのことですが、これを心地よいリズムに乗せることで、若者たちが思わず口ずさんでしまうコンテンツへと変貌させました。従来の金融業界が持っていた「お堅くて難しい」というイメージを、エンターテインメントの力で見事に刷新しています。
既存の金融ビジネスの常識を覆したロビンフッドの登場により、今や大手を含めた他社も手数料無料化へと追随せざるを得ない状況に追い込まれました。2020年内には新規株式公開(IPO)の噂も囁かれており、スタートアップから業界を牽引する主役へと躍進を遂げようとしています。このように、テクノロジーで市場を開拓し、多くの人に投資への扉を開いた試みは素晴らしいと感じます。日本でもこうした手軽で身近な投資スタイルが、今後さらに広がっていくことを期待したいものです。
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