オーダースーツが2万円台から?市場半減の「スーツ冬の時代」を生き抜くD2Cと最新デジタル戦略

ビジネスパーソンの戦闘服とも言えるスーツの市場が、今まさに激変のときを迎えています。ライフスタイルのカジュアル化という時代の波に加え、ここ20年で市場規模が半減するという、まさに「厳冬の時代」が到来しているのです。既製品を大量に作れば売れるという従来のビジネスモデルは、すでに崩壊しつつあると言えるでしょう。

SNS上では「毎日スーツを着る必要がなくなった」「安くて体にフィットするものなら欲しい」といったリアルな声が溢れています。こうした消費者の価値観の変化に伴い、これからのアパレル業界における生き残りのカギは、一人ひとりの細かな要望に素早く対応する「個客」への即応力へとシフトしているのです。

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米国発の衝撃とアパレル業界を揺るがす「D2C」の台頭

市場の変化を象徴する出来事として、2019年9月24日に民事再生法を申請し経営破綻した、米ファストファッション大手のフォーエバー21のニュースは記憶に新しいところです。同社を苦境に追い込んだのは、単なるインターネット通販の普及だけではありません。その背景には、アパレル界の新たな潮流が潜んでいます。

米国では今、SNSなどを通じて個人のニーズをダイレクトに汲み取り、製品を迅速に届ける「D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)」と呼ばれる新興ブランドが急成長を遂げています。これは製造者が流通を通さず消費者に直接販売する仕組みのことで、中間コストを省きながら顧客の声を即座に反映できる点が強みです。

2万円台で手に入る感動!驚異のデジタルオーダースーツ戦略

このD2Cの波は、日本のスーツ市場にも確実に押し寄せています。オーダースーツ店を展開する「オーダースーツSADA」は、職人による採寸と工場の機械化を組み合わせることでコストを徹底的に削減しました。なんと最低2万円程度からという驚きの低価格を実現し、この5年で売り上げ着数を2倍に急増させています。

また、カジュアル衣料大手のユニクロが提案するセミオーダースーツも大きな注目を集めています。店頭で首回りや袖丈、色などを選ぶと、そのデータが瞬時に中国の縫製工場へ転送される仕組みです。自動裁断システムなどを駆使し、わずか1週間ほどで手元に届くという、圧倒的なスピード感を誇っています。

大手衣料も続々参入!デジタル時代を生き抜くブランドの条件

こうした新興勢力の猛追に対し、既存のスーツ大手も指をくわえて見ているわけではありません。「洋服の青山」を運営する青山商事は、2019年10月に新業態となる「クオリティオーダー シタテ」を立ち上げました。税別2万9千円からという挑戦的な価格を設定し、本格的なオーダースーツ市場へ参入しています。

このように、デジタル技術を駆使して顧客一人ひとりに寄り添う仕組みを構築できなければ、どれほどの老舗であっても淘汰される厳しい時代がやってきました。低価格と高品質を両立したオーダースーツの普及は、消費者にとって間違いなく大歓迎すべき進化であり、この競争が業界全体の質を高めていくでしょう。

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