LME銅相場が急落!新型肺炎の拡大で中国需要に急ブレーキ?今後の経済動向を徹底解説

世界の産業を支える重要なベースメタルである「銅」の先物価格が、にわかに下落へと転じました。ロンドン金属取引所(LME)における3カ月先物価格は、2020年1月21日の終値で1トンあたり6160ドルを記録し、前日比で99ドル(1.6%)も値を下げています。直近で高値をつけた2020年1月14日と比較すると、142ドル(2.3%)も安い水準です。さらに日本時間の2020年1月22日午前の時間外取引でも、一時6128ドルまで下落が加速する展開をみせました。

この急落の背景にあるのが、中国で発生した新型肺炎の感染拡大です。市場では、この未知のウイルスによって中国国内の経済活動が停滞するのではないかという懸念が急速に強まっています。ネット上のSNSでも「新型肺炎の影響が実体経済にまで波及してきた」「今後の景気が不安だ」といった悲観的な声が相次いでおり、投資家たちのマインドに冷や水を浴びせている状況です。銅はインフラから家電まで幅広く使われるため、まさに世界経済の体温計と言えるでしょう。

そもそも中国は、世界の銅地金(精錬された銅の塊)における消費量の約5割を占める巨大マーケットです。アメリカとの深刻な貿易摩擦が続いていましたが、2020年1月15日に「第1段階の合意」の署名が行われたことで、市場には安堵感が広がっていました。一時は約9カ月ぶりの高値圏に浮上し、需要回復への期待に満ちていた矢先のできごとです。それだけに、今回の新型肺炎という未知のリスクの出現は、市場に冷酷な不透明感を再び突きつける形となりました。

ただ、2020年1月24日からは中国で春節(旧正月)の大型連休がスタートします。この期間中は現地での経済活動自体が一時的にストップするため、目先は小幅な値動きにとどまるという予測が有勢です。専門家である住友商事グローバルリサーチの本間隆行経済部長も、連休明けに中国の市場関係者がどのような動きを見せるかで、今後の相場の明暗が分かれるだろうと分析しています。連休中の感染状況や政府の対応が、次のトレンドを決める最大の鍵になりそうです。

今回の事態を受けて、私は目先の価格変動以上に、グローバルサプライチェーン(部品の調達から製造、販売までの一連の繋がり)への長期的な影響を注視すべきだと考えています。中国の需要減退は、日本を含む周辺国の輸出企業にとっても決して他人事ではありません。感染症という予測困難なリスクに対して、世界経済がいかに強靭さを示せるかが問われています。投資家だけでなく、一般のビジネスパーソンにとっても、この春節明けの動向からは目が離せないでしょう。

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