アルミ二次合金の価格下落に歯止めか?中国のスクラップ規制がもたらす国内市場の転換期と今後の見通し

私たちの生活に身近な自動車や家電製品など、さまざまな工業製品に欠かせない「アルミ二次合金」の市場がいま、大きな節目を迎えています。これまで長らく続いていた市況の下落傾向ですが、いよいよ底打ちの兆しが見えてきました。アルミ二次合金とは、使用済みのアルミ製品や製造工程で出る端材などのスクラップを回収して溶かし、再び使えるように不純物を調整したリサイクル金属のことです。新地金から製造するよりも大幅にエネルギーを削減できるため、環境負荷が低いエコな素材として近年特に注目を集めています。

このアルミ二次合金の国内価格がこれまで下落していた背景には、比較的安価な中国製合金が日本国内へ大量に流入していたという事情が存在します。貿易統計のデータを紐解いてみると、中国製における2019年10月の輸入単価は1トンあたり約15万7000円を記録しました。この数字は、前年の同じ時期と比べるとなんと23%も安い水準です。さらに2019年4月以降、7ヶ月連続で前年比2割安という異例の低価格が続いており、これが国内の価格を押し下げる大きな要因となっていました。

では、なぜこれほどまでに中国製のアルミ二次合金は安かったのでしょうか。その理由は、中国国内における自動車市場の深刻な冷え込みにあります。実は中国の新車販売台数は、2019年11月まで17ヶ月連続で前年の実績を割り込んでいました。もともと中国ではアルミニウムの過剰生産が指摘されていましたが、最もアルミを多く消費する自動車産業での需要鈍化が重なったことで、市場での供給過剰がいっそう進んでしまったのです。行き場を失った在庫が、日本へ安値で放出されたとみられます。

こうした状況に対し、SNS上では「日本の製造業にとっては仕入れ値が下がって大歓迎」という声がある一方で、「国内のスクラップ業者や合金メーカーの経営が圧迫されるのではないか」といった先行きを不安視する意見も多く飛び交っていました。安価な海外製品の流入は、国内の産業基盤を揺るがしかねない表裏一体の問題です。しかし、この流れも間もなく終わりを迎えるでしょう。中国政府が環境対策の一環として、原材料となるアルミスクラップの輸入規制を強化し始めたからです。

今後はこの規制の影響が波及し、日本への中国製アルミ二次合金の輸入は縮小へと向かう見通しです。国内価格を引き下げていた主因が消えることで、市場はまさに価格形成の転換期へと突入します。編集部としては、この変化を日本のリサイクル産業が健全な競争力を取り戻す好機と捉えています。安さだけに頼る構造から脱却し、高品質な国内循環型モデルを確立することが、これからの製造業の持続可能な発展において極めて重要になってくるのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました