今、中国への航空券が驚くほどの安値をつけているのをご存知でしょうか。日本と北京や上海を結ぶ路線において、航空券の価格がなんと前年の同時期に比べて5割から6割も値下がりしているのです。驚くべきことに、燃油サーチャージや諸税を除いた往復の運賃が、5000円からという破格の便まで登場しています。旅行好きにとっては見逃せない数字ですが、この信じられないような激安価格の背景には、いくつかの明確な理由が隠されているようです。
価格急落の大きな要因として、2019年9月25日に北京大興国際空港という巨大な新しい空港が開業したことが挙げられます。これにより日本と中国を結ぶ航空便の数が大幅に充実しました。国土交通省のデータによると、定期便は2020年1月下旬から2020年2月中旬にかけて週1600便前後に達し、前年の同じ時期と比べて4割も増加しているのです。特に中部国際空港発の便は週200便と前年の2倍にまで膨れ上がり、これが国内最安値を叩き出す原動力となりました。
しかし、空の便数がこれほど増えた一方で、日本から中国へ向かう旅行需要は残念ながら盛り上がりに欠けているのが現状です。格安航空券サイトを運営する企業によると、航空会社は日本人の旅行マインドを刺激するために必死の値下げを敢行しているとのことでした。さらに拍車をかけるように、足元では新型肺炎(重症急性呼吸器症候群などのように、感染力が強く社会的に警戒される感染症)の拡大が影を落としており、中国への渡航を自主的に控える動きが強まっています。
この異例の事態に対して、SNS上では「国内旅行をするよりも圧倒的に安い」「この値段なら今すぐ飛び立ちたい」といった驚きの声が続出しました。その一方で、「いくら安くても新型肺炎のリスクを考えると今は行く勇気が出ない」「周囲から止められたのでキャンセルした」という現実的な困惑の投稿も数多く見られます。安さに魅力を感じつつも、健康や安全面への不安との間で激しく揺れ動くネットユーザーのリアルな葛藤が、タイムラインからも痛いほど伝わってきます。
編集部としては、この大幅な値下げは旅行者にとって魅力的なチャンスである反面、現状での渡航には慎重な見極めが必要だと考えます。航空会社が供給を増やした絶好のタイミングで、想定外の感染症リスクが重なってしまったことは非常に不運な巡り合わせと言わざるを得ません。価格の安さだけに目を奪われることなく、現地の最新の安全情報や医療体制をしっかりと収集した上で、冷静に渡航の是非を判断することが今最も求められているでしょう。
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