銀世界が広がる新潟県で、外国人観光客の安心を守る先進的な取り組みが幕を開けます。新潟県は2020年1月14日から、医師と外国人患者のコミュニケーションをサポートする「遠隔医療通訳」の実証実験を開始することになりました。この試みは、冬のレジャーシーズンに急増する外国人旅行者が、病気やケガで現地の医療機関に駆け込んだ際、言葉の壁を気にせずスムーズに受診できるようにすることを目指しています。
実証実験は2020年3月13日までの期間、県内14カ所の病院が参加して行われます。今回はインターネットを介した医療通訳で定評のある「日本医療通訳サービス(大阪市)」とタッグを組みました。一般的な通訳とは異なり、高度な医学知識や専門スキルを持つ「医療通訳士」がテレビ電話を通じてリアルタイムでサポートするため、医師の診断結果や難しい病状の説明も正確に伝わることが期待されています。
操作は非常にシンプルで、病院に配備されたタブレット端末などのテレビ電話画面から言語を選択するだけです。対応言語は英語や中国語、韓国語、タイ語、スペイン語などを含む5カ国語に及び、瞬時に専門の通訳士へとつながります。医療用語は日本語でも難しいものが多いため、専門家が間に入る仕組みは、患者だけでなく現場の医師にとっても大きな安心感をもたらすでしょう。
スノーリゾートならではの課題と若手職員の挑戦
新潟県内では、極上のパウダースノーを求めてウインタースポーツを楽しむ外国人が年々増加しています。特にスキー場を多く抱える妙高市では、2018年度の外国人患者数が280人に達し、2016年度と比較して3倍にまで急拡大しました。その一方で、中山間地にある病院などでは深刻な医師不足も叫ばれており、日々の診療に加えて複雑な多言語対応まで求められる現場の負担は、限界に達しつつありました。
SNS上でもこのニュースは話題を呼んでおり、「スキー場でのケガは付き物だから素晴らしい取り組み」「言葉が通じない恐怖が和らぐのは観光地として強い」と歓迎する声が多数上がっています。一方で「地方の医師不足そのものの解決にもつながってほしい」という切実な意見も見られました。現場の負担軽減と観光産業の発展を両立させるためにも、今回のデジタル技術の活用は非常に意義深い一歩だと私は感じます。
実は今回のプロジェクトは、新潟県が実施した「若手職員による政策提案推進事業」から生まれたフレッシュなアイデアです。まさに現場の困りごとに光を当てた見事な着眼点と言えるでしょう。県は今回の実証実験における利用実績や具体的な効果をしっかりと検証したうえで、今後の本格的な導入に向けて検討を進める方針です。地域医療の未来を救う、優しいテクノロジーの普及に期待が高まります。
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