日本の国際貢献のあり方が、今大きな転換期を迎えています。政府は国連平和維持活動、いわゆるPKOにおける自衛隊の役割として、海外での教育や人材育成に近年とても力を注いでいるのです。アジアやアフリカの施設部隊に対し、道路整備に欠かせない重機の動かし方や応急処置の技術を伝授してきました。そして2020年2月10日からは、ベトナムにおいて現地の人材を教官へと育てる初の試みがスタートします。かつてのような危険を伴う地域への部隊派遣を抑え、安全性の高い知的な支援へと軸足が移っている状況です。
ネット上やSNSでも、この新しい取り組みに対して多くの関心が寄せられています。「従来の部隊派遣よりも、現地の自立を促す教育支援のほうが持続性があって素晴らしい」「隊員の安全を確保しつつ、日本ならではの技術力で国際社会に貢献できる良い方法だ」といった本質を捉えた好意的な声が目立ちます。一方で、「現地の治安が悪化した場合の対応は大丈夫なのか」と、派遣される隊員の身を案じる慎重な意見も見られました。単に人員を送るだけでなく、現地の自立を助ける仕組みづくりへ、多くの人が注目しています。
防衛省が実施するこの計画は、「国連PKO支援部隊早期展開プロジェクト」という枠組みに基づいています。陸上自衛官28人がベトナムへ渡り、重機の操作方法を教えられる現地教官の育成に乗り出す予定です。この取り組みの源流は、2014年9月に当時の安倍首相が自衛隊による訓練実施を国際社会に約束したことにあります。翌2015年からアフリカで、2018年からはアジアで重機訓練が開始されました。さらに2019年からは医療教育も始まっており、これまでの派遣隊員は200人を超えています。
日本が歩んできたPKOの歴史を振り返ると、1992年のカンボジア派遣がその始まりでした。その後も東ティモールやハイチなどへ部隊を送り、2015年に成立した安全保障関連法では、危機に陥った関係者を救う「駆けつけ警護」などの新任務や武器使用の一部解禁が盛り込まれました。しかし、2017年5月に南スーダンから撤退して以降、大規模な部隊派遣は途絶えています。そこには、PKO参加の前提となる停戦合意などの「参加5原則」を満たすような、安全な候補地が世界的に不足しているという現実があります。
世界各地のPKO現場では、部族や宗教の対立による武力衝突が激化しており、年間でおよそ100人もの隊員が命を落とす深刻な事態が続いています。そのため日本だけでなく先進各国の部隊派遣は減少傾向にあり、現在はアジアやアフリカの新興国がその役割を担うケースが増大しているのが実情です。河野太郎防衛相は「PKOは重要な活動であり、日本の強みを発揮できる施設や医療の分野で能力構築を継続したい」と言明しており、技術移転による貢献の重要性が浮き彫りになっています。
編集部としては、この「教育や技術の提供」による国際貢献への転換を強く支持します。世界的な治安悪化の中で、大切な自衛隊員の命を危険にさらすリスクを減らしつつ、日本の高度な技術や規律を現地に根付かせる手法は極めて賢明です。魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えるようなこの支援こそが、真の国際協力ではないでしょうか。PKOの現場が変化する今、日本が培ってきた経験を知識として共有していくアプローチは、世界の平和構築において間違いなく大きな価値を持つ素晴らしい選択肢だと言えます。
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