地方百貨店の逆襲!近鉄百貨店が挑む「立ち寄りと回遊」を生む驚きの郊外店大改革とは?

全国の地方百貨店が相次いで閉店に追い込まれる中、独自の戦略で快進撃を続ける企業があります。それが近鉄百貨店です。2020年01月27日、秋田拓士社長はインタビューに応じ、厳しいインバウンド市場の現状と、驚きに満ちた郊外店のてこ入れ策を明かしました。ネット上でも「百貨店が生き残るためのリアルな改革」「地元のニーズをよく分かっている」と大きな話題を呼んでいます。かつてのビジネスモデルに頼らない、新しい街の拠点としての姿が今、形作られようとしています。

現在のインバウンド消費は、中国経済の冷え込みや爆買いの一服により、客単価が落ち込む厳しい局面を迎えています。特に流行の移り変わりが激しい中国市場では、化粧品の売れ行きにも変化が生じているようです。そこで同社は、ベトナムやフィリピンなど東南アジアからの新規客層の開拓に乗り出しています。さらに、大阪のあべのエリア周辺の名所と連携したクーポン付き冊子を10万部配布する施策を展開し、地域全体で観光客をもてなす回遊ルートを構築しようとしています。

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食のクオリティーを追求!フランチャイズ戦略が生んだ劇的効果

インバウンドの波に揺れる本店とは対照的に、実は地方郊外店が非常に堅調な動きを見せています。近鉄百貨店は投資の約半分を郊外店の食品売り場に投入し、高級スーパー「成城石井」のフランチャイズ(FC)加盟店となる改革を断行しました。FCとは、本部から看板や商品の供給を受け、加盟店が自らの資金と人材で運営する仕組みのことです。毎日食べる食品だからこそ、豊かでこだわりのある上質なラインナップをそろえたことで、見事に多くのお客層の心を掴むことに成功しました。

さらに上層階には「無印良品」や「ロフト」といった集客力のある専門店を誘致しました。これによって生まれた余剰人員を、利益率の高い直営ベーカリーなどの食品FC部門へシフトさせる構造改革を進めています。この戦略が見事に功を奏し、すでに改装を終えた生駒店は赤字から黒字への転換を果たしました。SNSでも「成城石井やロフトが入って便利になった」「買い物が楽しくなった」と、日常使いができる店舗への変貌を歓迎する声が溢れています。

素通りされる中層階を「台湾雑貨」と「アパレルの効率化」で再生へ

次なる狙いは、多くの買い物客が素通りしがちな中層階の劇的な見直しです。秋田社長は「生き残りのキーワードは立ち寄りと回遊だ」と断言します。厳しい状況が続くアパレル売り場では、ブランド数を大胆に絞り込み、複数のブランドを一つのゾーンに集約してレジを一本化する取り組みを進めています。これにより、従来は多くの販売員を要していた売り場を少人数で効率的に運営できる体制へと移行し、低価格でもしっかりと利益を出せる構造へ変革していきます。

そして、ブランドが集約されて空いたスペースには、衣食住が融合した魅力的な空間を創り出します。その目玉となるのが、台湾の有名食雑貨ブランド「神農生活」のFC展開です。本国で圧倒的な人気を誇るこのブランドを誘致し、台湾のレストランや日用品、お茶、そして新しいタピオカシリーズを揃えたエキサイティングな「台湾ゾーン」を構築します。まずは、あべのハルカス近鉄本店で展開したのち、1年から2年以内をめどに郊外店の中層階へと広げていく計画です。

地域密着のコミュニティへ!滋賀から発信する新しい百貨店のカタチ

2020年02月21日には、滋賀県の草津店に東急ハンズの新業態「プラグスマーケット」の第1号店が誕生予定です。売り場の約4割に琵琶湖周辺の日用雑貨や食品といった地場産業の逸品を並べ、「滋賀くらし」をテーマにしたイベントを企画しています。こうした地域密着の姿勢は、滋賀県の三日月大造知事からも強いバックアップを得ています。行政とタッグを組み、単なる商業施設を超えて、子育て相談窓口などを備えた社会的役割を果たす場所を目指しています。

これからの地方百貨店は、ただ物を売る場所ではなく、人と人が繋がり地域を元気にするコミュニティ施設として生まれ変わるべきでしょう。近鉄百貨店が示す「郊外店を絶対に閉めない」という強い覚悟と、時代に合わせた大胆な自己変革の姿勢は、まさにこれからのローカルビジネスの希望の光です。地域のインフラとして、新しく生まれ変わる近鉄百貨店の挑戦から目が離せません。

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