年齢を重ねるごとに増えていく白髪。完全に白髪を受け入れてグレーヘアにする勇気はまだ持てず、多くの方がカラーリングによるメンテナンスを続けているのではないでしょうか。エッセイストの岸本葉子さんもその一人で、美容院で染めてからわずか1週間ほどで、こめかみや額などの生え際に白いものが目立ち始めることに悩まされています。美容院へ通うのは3カ月に1度のペースが限界であり、その間のつなぎとして重宝するのが、自宅で手軽に使える「カラートリートメント」です。
このアイテムはシャンプーのついでに髪へ塗布し、数分間放置するだけで白髪が染まるという手軽さが売りですが、バスルームで数分間じっとしているのは意外と退屈なものですよね。そこで岸本さんがたどり着いた工夫が、入浴前に乾いた髪へ塗布する方法です。汚れても良い服に着替え、足元に新聞紙を敷き詰めて準備を整え、鏡を見ながらブラシで丁寧に根元へクリームを塗っていきます。この準備と塗布の作業は、まさに忍耐を要する職人技のような時間といえるでしょう。
見えない場所の「白髪」に気づく瞬間
根元から頭頂部まで塗り広げたら、シャワーキャップを被って放置します。この間は家事やメールの返信などの作業ができるため、とても効率的です。岸本さんは美容師の方にも「カラートリートメントを使っている」と正直に伝えているそうで、プロの手により「悪あがき」がバレていたとしても、隠し通すよりずっと気が楽だと語っています。こうした潔い姿勢は、多くの同世代読者からも共感を呼んでいるようです。
実際にSNSでも、「セルフ染めは鏡で見える場所ばかりケアしがち」といった体験談が数多く寄せられています。ある日、岸本さんが美容院でアドバイスを受けたのは、まさにその「鏡では見えない部分」についてでした。スタッフから「つむじ付近までもう少し広範囲に塗ると綺麗に仕上がります」と指摘され、岸本さんはハッとさせられます。これまでエレベーターのモニターで見た自分の頭頂部が白く光っていたのは、照明の反射ではなく「真実の白髪」だったのです。
この事実に直面し、これまでのケアがいかに限定的であったかを思い知らされます。後ろまで丁寧に塗布するには、腕を上げ続ける体力と、より広範囲な床の保護が必要です。鏡に映る自分だけをケアするのではなく、頭頂部全体を俯瞰してケアすることの重要性を痛感させられます。いつまでこの努力を続けるべきかという葛藤は、白髪と向き合う多くの人にとって、人生後半の大きなテーマとなるでしょう。皆さんは、この「見えない場所の白髪」とどう向き合っていきますか。
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