【家事代行2020】若い世代が「時間を買う」時代へ!共働き世帯が注目する最新の活用術とSNSの反響

日常の掃除や洗濯、料理といった家事を専門スタッフにお願いする「家事代行サービス」の月間利用額が、いまじわりと上昇しています。子育てをしながら忙しく働く共働き世帯の増加はもちろん、単身の男性や20代から30代の若い世代など、これまでにない幅広い層のニーズをガッチリと掴んでいるようです。利便性の高さを実感した人々が、家事のアウトソーシング(外部への委託)を賢く進めながら、自分にしかできない仕事や大切な余暇の時間を生み出している様子が、現代のライフスタイルの変化として浮き彫りになっています。

大手サービスのベアーズ(東京都中央区)によると、2019年の平均利用料金は月額3万6082円に達しました。2015年以降は毎年2パーセントから3パーセントほどのペースで堅調に上昇を続けています。川崎市に住む40代の女性会社員は、育児休業から職場に復帰したタイミングで利用を始めました。定期的な掃除や料理の委託だけでなく、仕事が繁忙期を迎えた際には小学生のお子さんの見守りサービスも活用しているそうです。「楽をするためでもご褒美でもなく、元気に長く働くための投資効率が良い」という彼女の言葉には、現代を生き抜くビジネスパーソンの本音が凝縮されています。

ベアーズの特徴は、一般的な家事に加えて高齢者の見守りや子どものシッターなどを組み合わせた複合的なサービスにあります。月2回以上利用する「デラックスプラン」の場合、1時間あたり税抜き3300円(交通費別)ですが、こうした複合利用者の割合は2015年の27パーセントから、2019年には52パーセントへと急増しました。複数のメニューを組み合わせることで1回あたりの利用時間が長くなり、月々の利用回数も増えたことが、顧客単価を押し上げるダイレクトな要因となっています。

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「時間を買う」価値観が若者に浸透!背景にある労働市場の変化

家事の外部委託は、まさに「時間を買う」サービスと言えるでしょう。SNS上でもこの利便性は大きな話題を呼んでいます。「自分で掃除するより圧倒的に綺麗になって感動した」「『片付けなきゃ』という心理的ストレスから解放された」といったリアルな歓喜の声が溢れており、QOL(生活の質)の向上を実感するユーザーが相次いでいるようです。料理や掃除を依頼する独身男性や、親の見守りを兼ねて依頼する夫婦など、高橋ゆき副社長が「家事サービスを必要とする層が確実に広がっている」と太鼓判を押すのも頷けます。

この市場の盛り上がりは、日本の労働環境の変化と深く結びついています。総務省の労働力調査などによると、共働き世帯の数は1990年代に専業主婦世帯を逆転しました。2018年には1219万世帯へと急増し、いまや専業主婦世帯(600万世帯)の2倍以上の規模に達しています。さらに、女性が結婚や出産を機に退職することで30代の就業率が落ち込む「M字カーブ現象」も、現在ではほぼ解消に向かっている状況です。

第一生命経済研究所の的場康子主席研究員は、近年の利用増加について「働き方改革の進行と裏表の関係にある」と鋭く分析しています。産業構造が目まぐるしく変わり雇用の流動化が進むなかで、社会人が知識やスキルを学び直す「リカレント教育(生涯にわたる教育と就労のサイクル)」への関心が高まっており、自分への投資時間を確保したいというビジネスパーソンの強い意識が背景にあるのでしょう。

スマホで完結するクラウド型サービスと若者世代の台頭

驚くべきことに、このブームの最前線を走っているのは若い世代です。家事代行マッチングサービスのCaS … y(カジー、東京都品川区)では、4週間に1回以上利用する定期顧客の単価が2015年秋頃と比較して15パーセントから20パーセントもアップしました。これを年代別に見ると、40代の利用額が横ばいであるのに対し、30代は約30パーセント、20代にいたっては約50パーセントも単価が上昇しているのです。

若い世代に支持される理由は、その手軽さにあります。同社はネット上で依頼から見積もり、日程調整、さらにはサービス後のスタッフ評価までワンストップで完結する「クラウド型(インターネット上のシステムを用いたサービス)」を提供しています。週1回の定期利用なら1時間あたり税抜き2190円(交通費別)から利用可能で、共働き世帯のなかでも、特にお子さんのいない「DINKS(子どもを持たない共働き夫婦)」世帯のほうが、子どもがいる世帯よりも単価の上昇が顕著だというから興味深いデータです。

彼らの利用拡大を後押ししているのがSNSの存在です。TwitterやInstagramで影響力を持つ「インフルエンサー」が実際の利用体験をポジティブに発信していることで、それを見たフォロワーたちが心理的なハードルを軽々と飛び越えて申し込んでいます。「家事代行は贅沢品」という古い固定観念は、若い世代の間で完全に崩れ去っていると言えるでしょう。

編集部が斬る!これからの家事代行市場が迎える真の課題

私個人の意見として、家事代行サービスはもはや一部の富裕層だけのものではなく、現代人がサステナブル(持続可能)に働き、豊かな私生活を送るための「必須インフラ」に進化していると感じます。自分でできることをあえて人に頼むのは、決して怠けではありません。限られた24時間という資源を最大化し、自らのキャリアアップや家族との大切な時間、あるいは心身のリフレッシュに充てるという選択は、非常にスマートで合理的な生き方ではないでしょうか。

しかし、この急成長する市場の前には大きな壁が立ちはだかっています。経済産業省が野村総合研究所に委託して2018年度に実施したアンケート調査によると、多くの事業者が「最も深刻な課題は人材不足」と回答しました。需要が爆発的に増える一方で、現場を支えるスタッフの確保が追いついていないのが実情です。

サービス開始から20年を数えるベアーズでは、かつては50代後半以上の女性が過半数を占めていたスタッフの層に、最近では20代から30代の若い女性も増えるなど、担い手の属性にも広がりが見え始めています。利用者だけでなく、働く側の若返りも進んでいるのは好ましい傾向です。この利便性の高いサービスが今後も社会に根付いていくためには、働くスタッフの処遇を改善し、質の高い人材を安定的に確保・育成できるかどうかが、各企業の持続的な成長を左右する最大の鍵になるでしょう。

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