警察庁は2020年2月13日、2019年の1年間において懲戒処分を受けた警察官や警察職員の統計データを公表しました。発表によると、処分者数は前年から14人減少して243人となり、2000年以降の記録では2番目に低い水準をマークしています。これで7年連続の減少傾向となり、組織全体の健全化が一定進んでいる印象です。しかし、法を守るべき立場の人間が起こした不祥事に対して、世間からは依然として厳しい視線が注がれています。
ネット上やSNSでは「減少しているのは良い傾向だが、そもそも不祥事ゼロを目指してほしい」という至極真っ当な意見が目立ちます。さらに「信頼すべき警察官の犯罪は、件数に関わらずショックが大きい」といった落胆の声も広がっていました。数字の上では改善しているように見えても、市民の信頼を取り戻すにはまだ時間がかかるでしょう。私たちは数字の増減だけに一喜一憂せず、その内実をしっかりと見極めていく必要があります。
最も多い処分理由は「異性関係」!その内訳とSNSのリアルな反応
今回の発表で最も注目を集めたのが、処分理由の第1位がセクシャルハラスメントなどを含む「異性関係」の80人だった点です。前年より14人減ったとはいえ、全体の約3割を占める結果となりました。セクシャルハラスメントとは、相手の意に反する性的な言動によって不快感を与えるハラスメント行為を指します。SNSでは「身内を正せない人が市民を守れるのか」といった厳しいツッコミが相次ぎ、強い関心を集めました。
異性関係に続く理由としては、お金が絡む「窃盗・詐欺・横領等」が前年より11人増えて66人、次いで「交通事故・違反」が40人という結果です。さらに「公文書偽造・毀棄(きき)、証拠隠滅等」の14人が続いています。ここで注目したいのが「毀棄」という専門用語ですが、これは書類などを破り捨てて使えなくする行為を意味します。警察が証拠を隠滅するなどの行為は、まさに職権濫用であり、決して許されることではありません。
パワハラはゼロを達成するも、都道府県ごとの格差が浮き彫りに
一方で、ポジティブな変化として捉えられるのが、懲戒処分に該当するパワハラ(パワーハラスメント)がゼロになった点でしょう。前年は7人の処分者がいたため、職場環境の改善に向けた取り組みの成果が出た格好です。処分の度合いを見ると、最も重い「免職(懲戒解雇にあたる処分)」が29人、一定期間の出勤を禁じる「停職」が59人、給与を削る「減給」が122人、そして厳重注意に相当する「戒告(かいこく)」が33人でした。
また、都道府県別の処分者数に目を向けると、地域ごとの格差が浮き彫りになります。最も多かったのは東京都を管轄する警視庁の34人で、それに神奈川県警の19人、愛知県警の14人、京都府警の12人が続く結果となりました。人口や警察官の母数が多い大都市圏ほど、トラブルの発生件数も比例して高くなる傾向が見て取れます。だからこそ、大都市を抱える警察本部には、より徹底したモラル教育が求められるはずです。
編集部の視点:形骸化させない教育と透明性の高い組織づくりを
今回の統計から、警察組織が不祥事撲滅に向けて動いている姿勢は評価できます。しかし、逮捕者が50人も出ている現状を考えれば、決して手放しでは喜べません。警察官という職務には、一般市民よりも高い倫理観と自制心が求められるのは当然です。不祥事が起きるたびに、真面目に職務を全うしている多くの警察官の名誉まで傷ついてしまいます。今後は処分を公表するだけでなく、再発防止のプロセスを透明化することが重要でしょう。
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