米大リーグの名門ニューヨーク・ヤンキースで活躍する田中将大投手が、胸に秘めた恩師への熱い想いを語りました。2020年2月12日、春季キャンプ開始を翌日に控えたフロリダ州タンパの球場で、報道陣の取材に応じたのです。前日の2020年2月11日に急逝された元プロ野球楽天監督、野村克也さんへの感謝を言葉ににじませていました。プロの門を叩いた時の指揮官は野村さんであり、右も左も分からない状態から野球のすべてを教わったと、神妙な面持ちで振り返る姿が印象的です。
偉大な恩師との突然の別れに、田中投手の衝撃は計り知れません。野村さんの息子である野村克則楽天作戦コーチから直接連絡を受けた際は、あまりのショックに言葉を失ったといいます。お二人が最後に言葉を交わしたのは、テレビ番組の収録現場で顔を合わせた2017年のことでした。再び会う約束を果たせぬまま永遠の別れとなってしまい、これが最後になるなんて想像もしていなかったと、大舞台で戦うエースもこの時ばかりは無念の表情を隠しきれませんでした。
SNS上でもこの悲報に対して、「マーくんを育ててくれてありがとう」「ノムさんの教えがメジャーでも生きているんだね」といったファンの感動の声が溢れています。野村さんが遺した「野村ID野球」というデータや論理を重視するスタイルは、田中投手の骨肉となっているのでしょう。単なる精神論ではなく、打者の心理を読み解く深い野球観や、マウンド上での確固たる心構えを教え込まれたからこそ、現在の世界的な成功があるのだと感じさせられます。
その教えが最高の形で実を結んだのが、球団史上初の日本一に輝いた2013年11月3日の記念すべきマウンドでした。緊迫した最終回の局面でリリーフ登板した田中投手は、野村さんから耳にタコができるほど叩き込まれた「困ったときは外角低め」という原点を思い出します。窮地の中で不思議とその言葉が脳裏に浮かび、狂いなく体現できたそうです。これこそが名将と名投手の魂のシンクロであり、現代の野球界が忘れてはならない尊い師弟関係の姿ではないでしょうか。
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