2019年6月27日、大阪で開催された主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の機会を最大限に活かし、当時の安倍晋三首相は、来日した各国首脳と精力的に会談を重ねました。このハイレベルな外交の舞台裏では、国際的な課題の解決と日本の国益増進に向けた重要な合意が次々と結ばばれていったのです。特に、緊迫する中東情勢の安定化と、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力体制の強化が、焦点となりました。
会談に臨んだのは、短時間の立ち話も含め、中国、オーストラリア、アルゼンチンなどのG20参加国に加え、招待国として来日したセネガル、エジプト、シンガポールを含む計8カ国・地域の首脳です。このうち、欧州連合(EU)のトゥスク大統領とユンケル欧州委員長との首脳会談では、最大の懸案事項の一つである中東情勢の緊張について、深い懸念が共有されました。アメリカとイランの対立が激化している状況を念頭に、当事国双方に自制を強く求める姿勢で一致しています。さらに、緊張緩和と情勢の安定化のために、イラン核合意を引き続き支持し、連携して取り組む方針を確認しました。国際社会の安定に貢献しようとする日本とEUの強い意志が示されたといえるでしょう。
🇪🇺EUとの連携強化:被災地食品の規制緩和という朗報
このEUとの会談では、東日本大震災後にEUが続けてきた日本産食品の輸入規制に関しても、大きな進展が見られました。かねてより規制緩和を求めてきた日本に対し、EU側が緩和に応じる姿勢を示したのです。具体的な緩和対象としては、(1)岩手県、栃木県、千葉県の3県のすべての食品、(2)福島県産の大豆、(3)宮城県、茨城県、群馬県産の水産物、(4)一部地域産のきのこ類など、東日本の12県を対象としていた放射性物質の検査証明書の提出義務が一部で不要となる見込みです。EUは加盟国の承認を得て、年内の施行を目指すとしています。
このEUの動きは、被災地にとって待望の、そして極めて重要な前進です。日本の農林水産物に対する不当な風評被害(科学的な根拠がないにもかかわらず、うわさなどで受ける被害)の打破に向けて、大きな弾みとなるでしょう。2019年4月には、世界貿易機関(WTO)において、韓国による日本産水産物の禁輸措置を不当とする日本の主張が退けられる判断があり、日本政府は規制を続ける国々への働きかけを強化している最中でした。今回のEUの決断は、こうした国際的な流れを変えるきっかけとなる可能性があり、被災地の復興支援に繋がるものとして、私は強く支持いたします。
🇮🇳インドとの協力深化:自由で開かれたインド太平洋構想へ
また、安倍首相はインドのモディ首相とも会談し、「自由で開かれたインド太平洋構想」の実現に向けた安全保障協力の具体化を進めることで合意しました。特に、2018年の首脳会談で創設が決定された日印の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を早期に開催することを確認しています。「2プラス2」とは、主要な二国間関係において、外務大臣と防衛大臣(または国防大臣)がそれぞれのカウンターパートと集まり、外交・安全保障政策について話し合う枠組みを指す専門用語です。これは両国の協力体制が、より戦略的かつ高いレベルに進むことを示唆しています。
さらに、安倍首相はスタートアップ投資や、宇宙・サイバーといった新たな分野での協力具体化にも強い意欲を示しました。モディ首相も、第三国への協力や防災分野での連携進展を希望し、日印間の協力の幅が広がる見通しです。この動きは、中国の海洋進出などを念頭に、インド洋から太平洋に至る広大な地域における、法の支配に基づく秩序の構築、すなわち「自由で開かれたインド太平洋」という理念を具体化する上で、極めて重要度の高い協調体制の確立といえるでしょう。この日本の主導的な外交姿勢は、地域の平和と繁栄に不可欠だと私は確信しています。
🇦🇺オーストラリア、🇦🇷アルゼンチンなどとの個別協力
オーストラリアのモリソン首相との会談では、自衛隊と豪軍が共同訓練などを実施しやすくするための日豪円滑化協定の交渉で、引き続き連携していく方針を確認しました。また、東南アジアや島しょ国におけるインフラ支援の協力推進でも一致しています。これは、「自由で開かれたインド太平洋構想」を具体的な形で支えるための、重要な二国間協力です。
アルゼンチンのマクリ大統領との会談では、日本側は2019年6月26日に閉幕した通常国会で、同国との投資協定の承認を得たことを伝え、「貿易・投資をさらに促進させたい」との意向を示しました。また、若者の交流拡大を目的として、働きながら滞在・勉強ができるワーキングホリデーの枠を拡大することにも言及し、両国間の経済・人的交流の深化に前向きな姿勢を見せました。G20サミットの場は、このように多岐にわたる国々と関係を強化する、またとない機会となったのです。
🌐SNSでの反響:「被災地支援」と「多角的な外交」への期待
この一連の安倍首相の外交活動と、特にEUによる被災地食品の輸入規制緩和のニュースは、SNSでも大きな反響を呼びました。Twitterなどのプラットフォームでは、「長年の願いが叶った」「被災地の生産者の努力が報われる」といった喜びの声が多数見られました。一方で、「まだ規制を続けている国々にも早く続いてほしい」と、さらなる緩和への期待と要望を示す意見も目立っています。また、インドやオーストラリアとの安全保障に関する連携強化のニュースについては、「日本の多角的な外交努力が実を結んでいる」「アジア太平洋地域の安定に欠かせない動きだ」と、積極的な評価が寄せられていました。今回のG20は、国際社会における日本の存在感を示す、意義深い外交の機会となったといえるでしょう。
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